CommuniGate Pro
Version 5.1
オブジェクト
 
 
 
メールボックス

メールボックス

CommuniGate Pro のアカウントには一つもしくは複数のメールボックスを設定できます。メールボッ クスの名前はそれぞれ一意で、メールボックスには複数のメッセージが格納(またはメッセージな し) されます。アカウントのメールボックスには、POPIMAPMAPIXIMSSWebUser インターフェイスリア ルタイムアプリケーションの各モジュールからアクセスが可能です。

CommuniGate Pro では、メールボックスの形式として各種の形式をサポートしています。例えば、マ ルチメールボックス(multi-mailbox) 形式の場合、異なるフォーマットのメールボックスを格納できます。

各アカウントにはいずれもINBOX メールボックスがあります。CommuniGate Pro のアカウント宛て のメッセージは、そのアカウントのINBOX メールボックスに格納されます。ただし、自動処理ルールが定義されているときには、そのルールにしたがって別のメールボックスの格納されることもあります

メールボックスの名前

アカウントを作成すると、自動的にINBOX メールボックスが作成されます。システム管理者または ドメイン管理者がアカウントを作成する場合、INBOX メールボックス以外のメールボックスを作成することもできます。

A user can create a Mailbox using an IMAP, MAPI, or XIMSS mailer application or using the WebUser Interface.

「入れ子」のメールボックスも作成できます。例えば、メールボックス"A" の中にサブメールボック ス"B" を作成できます。これは、ファイルディレクトリの中にさらにファイルディレクトリを作成 できるのと同じです。CommuniGate Pro サーバーでは、「入れ子」のメールボックスはスラッシュ (/) 記号で区切って表現されます。 INBOX/important 上の場合、INBOX メールボックスの中にサブメールボックスとしてimportant があることを示し ています。

メールボックスX (X はメールボックスの名前) がある場合、そのメールボックスにメッセージを格 納できますが、同時に、メールボックスX のサブメールボックス(例えば、X/Y、X/Z) を作成でき ます。サブメールボックスはいわば「不可視」のメールボックスエンティティで、このメールボック スエンティティとしては、実際にメッセージが格納されるメールボックスと単に「ディレクトリ」で あるメールボックスの2 種類があります。初めてサブメールボックスを作成した場合、自動的に 「ディレクトリ」が作成され、そこにサブメールボックスが置かれます。一方、ディレクトリのみのサブメールボックスを作ることもでき、このサブメールボックスにはメッ セージが格納される領域はありません。ディレクトリのみのサブメールボックスを作成する場合、名 前をABCDEF/ とします。これで、ABCDEF/ という名前の中身のないサブメールボックス、つまり ディレクトリが作成されます。このディレクトリの名前(ABCDEF) は表示されますが、選択でき ず、メッセージを格納することもできません。なお、その後、ABCDEF という名前の通常のメール ボックスを作ることができ、このメールボックスにはメッセージの格納場所が用意されます。

INBOX メールボックスは削除できません。ただし、INBOX メールボックスの名前は変更できます。そ の場合、内容が空の新規のINBOX メールボックスが自動的に作成されます(結局、INBOX メールボッ クスは必ず存在します)。

CommuniGate Pro では、メールボックスの名前は、大文字と小文字が区別されて扱われます。ファイ ルシステムによっては(例えば、NTFS)、ファイル名の大文字と小文字が区別されないシステムもあ ります。こういったファイルシステムでも、CommuniGate Pro のメールボックスの名前は大文字と小 文字が区別されて認識されますが、名前が同じでケース(大文字または小文字) だけが異なるメール ボックスを作成することはできません。また、INBOX メールボックスの名前は例外で、どんなシス テムでも大文字と小文字は区別されません。


メッセージフラグ

メールボックスの中のメッセージにはそれぞれフラグがあります。フラグは通常、メッセージがメー ルボックスに格納されるときに設定されます。また、IMAPMAPIXIMSSWebUser インターフェイスリアルタイムアプリケーションなどのメールボックスアクセスプロトコル/ メソッドを使って更新でき ます。

フラグによっては、使用されるアクセスプロトコルでフラグの変更がサポートされていないときで も、自動的にセットされる場合もあります。例えば、メッセージがPOPプロトコルのRETR コマン ドを使って読み込まれると、[Seen] フラグ(下記を参照) が自動的にセットされます。

コンポーネントの中には(自動処理ルールCG/PLプログラムなど)、フラグの名前を使ってフラ グにアクセスできるものもあります。また、こうしたコンポーネントでは、「逆名」(意味が逆のフラ グ、例えばSeen であればUnseen) を使ってフラグをリセットしたり、そのフラグが設定されてい ないメッセージ(例えばフラグがUnseen のメッセージ) を検索できるものもあります。

下記は、CommuniGate Pro でサポートされているメッセージフラグの一覧です。IMAP 名と逆名も示 してあります。
名前内容IMAP 名逆名
Seen このフラグは、クライアント上でメッセージの読み込みが実行されたときにセットされます。または、何らかのメールボックスアクセスプロトコルによる処理の後、自動的にセットされることもあります(設定によります)。通常は、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 \SeenUnseen
Read Seen と同じ  Unread
Answered このフラグは、メッセージに対する返信が送信されたときにセットされます。このフラグは、通常、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 \AnsweredUnanswered
Flagged このフラグがセットされている場合、メッセージに「フラグ」を追加されます(例えば、メールクライアント上で、メッセージに「重要」フラグが表示されるようになります)。 \FlaggedUnflagged
Draft このフラグがセットされている場合、そのメッセージが未送信(下書きまたは書きかけ) であることを示します。したがって、このメッセージは、メールクライアント上で再度オープンし、編集できます。このフラグは、通常、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 \DraftUndraft
Deleted このフラグがセットされている場合、そのメッセージに削除マークが付加されていることを示します。メールクライアントによっては、実際に削除する前に削除マークが付加され(例えば、ゴミ箱に移動)、その後、マークされているメッセージを一括して削除(ゴミ箱を空にする) できるものもあります。このフラグは、通常、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 \DeletedUndeleted
Redirected このフラグは、メッセージのコピーが任意のユーザーに送信(転送) されたときにセットされます。このフラグは、通常、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 $ForwardedNotRedirected
MDNSent このフラグは、メッセージのMDN (読了レポート) が送信されたときにセットされます。このフラグにより、メールクライアント上で、各メッセージについてMDN レポートが一つだけ送信されるようになります(重複送信が回避されます)。このフラグは、通常、メールクライアントアプリケーションでセットまたはリセットされます(ユーザーの操作に依存します)。 $MDNSentNoMDNSent
Hidden このフラグがセットされている場合、そのメッセージは、メールボックスのオーナーのほか、そのメールボックスについて管理アクセス権を所有しているユーザーだけが見ることができます。
このフラグがセットされているときには、そのアカウント(ユーザー) は、自分のメールボックスに対して別のユーザーがアクセスすることを許可できますが、その場合でもメッセージの内容は表示されません。
$HiddenNotHidden
Service このフラグがセットされている場合、IMAPクライアントまたはPOPクライアントでは、 そのメッセージは表示されなくなります。
MAPIクライアントの場合、ユーザーには見えないサービスアイテム( メールボックスフォームなど) を作成できます。
$ServiceNotService
Media このフラグがセットされている場合、そのメッセージは、内部に何らかのメディア(音声/ ビデオ) データが格納されているものとして扱われます。 $MediaNotMedia
Junk If this flag is set, the message is treated as "junk" (spam). JunkNotJunk
Label1 Custom flag. $Label1NotLabel1
Label3 Custom flag. $Label3NotLabel3
Label1 Custom flag. $Label1NotLabel1

メールボックスのアクセスコントロールリスト

CommuniGate Pro サーバーでは、メールボックスごとにアクセスコントロールリスト(ACL) を作成 でき、このリストを介して、メールボックスに対するアクセスを管理することができます。アクセスコントロールリストには、名前(アカウント名など) と、その名前に付与するアクセス権を定義でき ます。

アクセスコントロールリストは、フォリンメールボックスに対するアクセス権の制御にも使われま す。つまり、任意のアカウントが別のアカウントのメールボックスにアクセスする場合の権限もアク セスコントロールリストで制御できます。

アクセスコントロールリストには、次の名前(ACL 要素) を定義できます。

anyone
名前をanyone ( リテラル) と定義しておくと、全ドメインの全アカウントに対して、指定した アクセス権が付与されます。
anyone@
名前をanyone@ と定義しておくと、このメールボックスのオーナーであるアカウントと同じド メインの全アカウントに対して、指定したアクセス権が付与されます。
anyone@domainName
名前をanyone@domainName (domainName はドメイン名) と定義しておくと、CommuniGate Pro のドメインのうち、domainName で指定したドメインの全アカウントに対して、指定した アクセス権が付与されます。
accountName
名前を-accountName (accountName はアカウント名) と定義しておくと、accountName で指定したアカウントから、指定したアクセス権が削除されます。
accountName@domainName
このACL 要素(domainName はドメイン名) を定義しておくと、そのドメイン名のアカウント (accountName) に、このメールボックスに対するアクセス権が与えられます。
#groupName
このACL 要素(groupName はグループ名) を定義しておくと、そのグループ(同じドメイン の中のグループ) の全メンバーに、このメールボックスに対するアクセス権が与えられます。

ACL 要素名には接頭辞として+ または- を付加できます。

アカウントのオーナーには、そのアカウントのメールボックスすべてについて無制限のアクセス権が デフォルトで付与されています。

上記以外のアカウント( メールボックスのオーナー以外のアカウント) からのアクセスはすべて、そ のアカウントに有効なアクセス権が付与されているかどうかチェックされます。

有効なアクセス権は、次の条件を使ってチェックされます。

サーバー管理者に[All Accounts and Domains] アクセス権が付与されている場合、そのサーバー管理 者は、サーバーの全メールボックスについてアクセスが可能です。また、ドメイン管理者に [CanViewMailboxes] アクセス権が付与されている場合、そのドメイン管理者は、管理可能なドメイン の全メールボックスにアクセスできます。.

メールボックスのアクセス権としては、次の種類があります。
l (Lookup)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにl (Lookup =閲覧) アクセス権が付与されてい る場合、そのユーザーは、サーバーに対してメールボックスリストの取得を要求することで、そのアカウントのメールボックスの閲覧が可能です。
r (Read/Select)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにr (Read/Select =読み取り/ 選択) アクセス権 が付与されている場合、そのユーザーは、そのメールボックスの中のメッセージを開き、読 むことができます。
s (Seen)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにs (Seen =読了) アクセス権が付与されている 場合、そのユーザーは、そのメールボックスリストの中のメッセージに対して読了マーク (seen) を付加できます。なお、通常、ユーザーがメッセージを読むと、自動的に読了マーク が付加されます。このアクセス権が付与されていない場合、ユーザーがメッセージを読んで も、メッセージには読了マークは付けられません。
w (Write/Flags)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにw (Write/Flags =書き込み/ フラグ) アクセス 権が付与されている場合、そのユーザーは、メッセージフラグをセット(返信済みなどのフ ラグを付加) したり、フラグをリセットできます。
d (Delete)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにd (Delete =削除) アクセス権が付与されてい る場合、そのユーザーは、メッセージフラグを削除できます。
i (Insert)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにi (Insert =挿入) アクセス権が付与されてい る場合、そのユーザーは、そのメールボックスにメッセージを追加したり、そのメールボッ クスに別のメールボックスのメッセージをコピーしたりできます。
p (Post)
ポストに関するアクセス権で、このアクセス権は最近のメーラーでは使われません。
c (Create)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにc (Create =作成) アクセス権が付与されてい る場合、そのユーザーは、そのメールボックスの中にサブメールボックスを作成できます。
a (Administer)
アクセスコントロールリストで、ユーザーにa (Administer =管理者) アクセス権が与えら れている場合、そのユーザーは次の作業が可能です。
  • メールボックスのアクセスコントロールリストの変更
  • メールボックスのメタデータ( メールボックスのクラスなど) の変更
  • 非表示のメッセージ(フラグがHiddenのメッセージ) の閲覧

サブメールボックスを作成すると、その「親」のメールボックスのアクセスコントロールリストの定 義がすべてサブメールボックスに継承されます。例えば、INBOX/sales というサブメールボックス を作成した場合、そのサブメールボックスのアクセスコントロールリストとしては、親のメールボッ クス(INBOX) のアクセスコントロールリストが使われます。

アクセスコントロールリストの内容は、またはIMAPクライアント(最近の高機能のクライアント) を使って定義または変更できます。

フォリンメールボックスを削除する場合、ユーザーには次の2 つのアクセス権が必要です。

フォリンメールボックスの名前を変更する場合、ユーザーには次の3 つのアクセス権が必要です。

アクセスコントロールリストを使ってユーザーにアクセス権を付与する場合、ユーザーのエイリアス ではなく、実際のユーザー(アカウント) 名を指定しなければなりません。例えば、ユーザーj.smith についてjohn.smith とjonny という2 つのエイリアスが設定されている場合、ユーザー名として はj.smith を指定しなければなりません。

以下、アクセスコントロールリストの定義の例を示します。
メールボックスのオーナーであるアカウントと同じドメインの全アカウント(ユーザー) にLookup、 Select、Seen という3 つのアクセス権を付与するとします。ただし、全ユーザーのうち、ユーザー John にはLookup だけを、また、ユーザーSusan にはLookup、Select、Seen、Delete の4 つのアクセ ス権を付与するとします。この場合、アクセスコントロールリストの定義は次のようになります。
anyone@ Lookup, Select, Seen
-john Select, Seen
+susan Delete
また、別のドメインであるcompany2.com の全ユーザーにLookup、Select、Seen を付与し、ただし、ユーザーjohn@company2.com には一切アクセス権を与えず、さらに別のドメインであるcompany3.com のユーザーsusan にはLookup、Select、Delete の各アクセス権を付与するとします。こ の場合、定義は次のようになります。
anyone@company2.com Lookup, Select, Seen
-john@company2.com Lookup, Select, Seen
susan@company3.com Lookup, Select, Delete

メールボックス形式

CommuniGate Pro では、受信したメッセージはいずれもアカウントのメールボックスに格納されます。 メールボックスの形式は複数サポートされており、その形式はメールボックスファイル(またはディ レクトリ) の拡張子で区別されます。

シングルメールボックスアカウント( メールボックスが一つのアカウント) の場合、アカウントを作 成するときにメールボックス形式(下記を参照) を指定します。

マルチメールボックス(MultiMailbox) のアカウントにはそれぞれフォリンメールボックスがあり、 そのアカウントのメールボックスが新規に作成される場合、フォリンメールボックスがデフォルトの フォーマットとして使われます。また、マルチメールボックスのアカウントのユーザーは、メール ボックスを作成するときにメールボックス形式を指定できます。方法は、メールボックスの名前を name.extension (name はメールボックス名、extension はメールボックス形式で、例えばmdir と指定します) の形式で指定します。これで、名前がname で、メールボックス形式がextension のメールボックスが作成されます。

TextMailbox (.mbox) 形式

この形式(ファイル拡張子は.mbox) のメールボックスの場合、メッセージは従来のBSD メー ルボックス形式で保存されます。このメールボックスでは、各メッセージの先頭にFrom 行が 置かれます。
From < リターンパス>( フラグ-UID) タイムスタンプ
この形式は、レガシーメールシステムで使われている形式と基本的には同じですが、リターン パス部の後に「コメント」が付加されるところが異なります。この形式は通常、レガシーアプ リケーション( ローカルのメーラー) との互換が必要な場合に使用します。この形式では、CommuniGate Pro サーバーの処理で必要となるメッセージ情報( メッセージステータスフラグと 一意のメールボックスメッセージID) が付加されます。

この形式のメールボックスを既存のシステムのメーラーのメールボックスとして使用してお り、そのファイルをCommuniGate Pro サーバーにコピーした場合、または、この形式のメール ボックスを外部INBOXとして使用し(既存のメーラーのメッセージを格納できます)、そのファ イルをCommuniGate Pro サーバーにコピーした場合、メッセージによっては「コメント( メッ セージステータスフラグと一意のメールボックスメッセージID)」がないものもあります(既存 のメーラーによっては付加されることもあります)。

こういったメッセージでも、CommuniGate Pro で扱うことはできますが、メッセージを変更(操 作) したときにはメッセージフラグは格納されず、また、セッションのメッセージUID も記憶 されません。この問題は、メッセージを一度別のメールボックスにコピーし、再度、元のメー ルボックス(TextMailbox) に戻すことで解決できます。この操作により、必要な情報( メッセー ジステータスフラグと一意のメールボックスメッセージID) From 行に追加されます。

TextMailbox 形式のメールボックスでは、メールが格納されるときにメッセージの全行がチェッ クされます。チェックで、空白行の次の行がFrom で始まっている場合、From の前に">" 記号 が付加されます。このメールボックスの場合、サイズが大きくなると処理速度が低下します。TextMailbox のメー ルボックスでは、メールボックスのオープン時、内容が解析され、メッセージの境界の検出の ほか、UID やフラグ、その他のメッセージ情報の取り出しが実行されます。また、メールボッ クスからメッセージが削除されたときには、削除後のメッセージデータをコピーし、メールボッ クスを圧縮するという処理が行われます。こういった処理は、メールボックスのサイズが大き くなると時間がかかります。CommuniGate Pro サーバーには、メールボックスデータを複数のチャンクに分けて処理する機能 が搭載されており、この機能を使うことで、上記の処理速度の低下を回避できます。具体的に は、特殊なセマフォオブジェクトを使ってチャンクに割り当てるバッファの数を指定でき、こ の方法で大きなメールボックスを効率よく処理できます( このパラメータの値は、使用してい るOS やファイルシステムによって適宜、変更することが必要です)。

CommuniGate Pro では、TextMailbox のメールボックスファイルについて、インデックスファイ ル(.bdx) を作成する機能がサポートされています。インデックスファイルがある場合、実 際のメールボックスファイルの解析の代わりに、そのインデックスファイルの内容が読み込ま れ、その結果、メールボックスのオープン処理が高速化されます。このインデックスファイル は、メールボックスのサイズが一定の値を超えると自動的に作成されます(下記を参照)。ま た、メールボックスのサイズが小さくなり、一定の値を下回ると自動的に削除されます。インデックスファイルは、メッセージが変更または削除されるたびに再作成されます。一方、 メールボックスに新規のメッセージが追加されたもののメールボックスがオープンされなかっ たとき、または、メッセージが読み取られただけで、そのメッセージフラグは変更されなかっ たときには通常、インデックスファイルは作成されません。

TextMailbox 形式のメールボックスの設定は、[TextMailbox Manager] パネルで行えます。このパネル は、WebAdmin インターフェイスの[Settings] セクションの[Obscure] ページにあります。

テキストメールボックスマネージャー
大きなバッファーの並行利用:
メールボックスのインデックス利用:
大きなバッファーの並行利用
このオプションを使って、同時処理(解析、削除) の最大数を指定できます。このオプション は、とくにメールボックスのサイズが大きい場合に使用します。
メールボックスのインデックス利用
このオプションでは、メールボックスのサイズを指定します。メールボックスのサイズが、こ の値を超えるとインデックスファイルが作成されます。

MailDirMailbox (.mdir) 形式

MailDirMailbox 形式のメールボックス(拡張子は.mdir) は、ファイルではなくディレクトリで す。つまり、このディレクトリの中に個々のメッセージが別個のファイル( メッセージファイ ル) として格納されます。

メッセージファイルの名前のフォーマットは次の通りです。
iiii-flags-timestamp
上で、iiii はメッセージの一意のID、f lagsはメッセージステータスフラグ、timestamp は タイムスタンプです。タイムスタンプは、メッセージがメールボックスに追加されたときの時 刻(GMT) で、フォーマットはyyyymmddhhmmss です。

注意:Unix プラットフォームでは、MailDirMailbox 形式のメールボックスは、「共有ストレージモデル」 として実装されています。つまり、同じメッセージが複数のアカウント/ メールボックスに配信され る場合、メッセージファイルは一つだけ作成され、そのファイルに対するハードリンクが各メールボッ クス(ディレクトリ) に置かれます。その後、各メールボックスすべてから、そのメッセージファイ ルが削除されると、メッセージファイルは自動的に削除されます。

注意: フリーウェアのメールシステムでは、ほとんどの場合、TextMailbox (.mbox) 形式または MailDirMailbox (.mdir) 形式もしくは同等の形式のメールボックスが使われており、開発者は、この2 つの形式のメールボックスの利点を強調しています。ただし、CommuniGate Pro のTextMailbox と MailDirMailbox は、こういったメールシステムのメールボックスとは次の点で異なっています。

注意: ほとんどの場合、MailDirMailbox 形式よりTextMailbox 形式のメールボックスのほうが処理は 高速です。そのため、CommuniGate Pro では、TextMailbox 形式がデフォルトの形式として設定され ています。一方、MailDirMailbox 形式のメールボックスは、メールボックスに常時、格納されている メッセージの数が多く(20 以上)、サイズも大きい(100K 以上) 場合に適しています。例えば、 Proposals というメールボックス(提案書のメールボックス) を用意し、そこに格納するメッセー ジにそれぞれ添付ファイル(サイズはいずれも50 ~ 70K) があるような場合、MailDirMailbox 形式の メールボックスのほうが処理は高速です。


メールボックスのクラス

メールボックスにはそれぞれクラス(Class) 属性を設定できます。クラス属性は、そのメールボッ クスに格納される情報の種類、つまりカレンダー、コンタクト(連絡先)、タスク(仕事)、メモなど を表します。メールボックスにクラスが設定されていない場合、そのメールボックスには電子メールメッセージが格納されます。

メールボックスに何らかのクラス属性が設定されているときでも、そのメールボックスには別の種類 の情報を格納することもできます。例えば、クラスがタスクのメールボックスに電子メールやコンタ クト情報を格納することができますし、クラスがカレンダーのときでもメモ情報を格納できます。高 機能のユーザーインターフェイス (WebUser やMAPI) の場合、メールボックスのクラス属性を 使って、メールボックスの内容が適切なフォーマットで表示されます。

メールボックスのクラス属性は通常、高機能のユーザーインターフェイスでメールボックスを作成す るときに設定が可能です。また、クラス属性は、CommuniGate Pro のCLI/APIを使って更新できま す。


ロックされたメールボックス

メールボックスにはいずれもロック済み(Locked) 属性を設定できます。この属性が設定されてい る場合、そのメールボックスの削除や名前の変更はできません。

子メールボックスにロック済み属性が設定されており、その親メールボックスにはロック済み属性が 設定されていないときには、親メールボックスを削除すると子メールボックスも削除されます。名前 の変更の場合も同じです。

メールボックスのロック済み属性は、アカウントテンプレートを使ってメールボックスを作成すると きに設定することができます。また、CommuniGate Pro のCLI/APIを使って更新できます。


メールボックスの作成

アカウントにはそれぞれフォリンメールボックスがあり、そのアカウントのメールボックスが新規に 作成される場合、フォリンメールボックスがデフォルトのフォーマットとして使われます。

アカウントのユーザーは、新規のメールボックスを作成する際、その格納形式( メールボックス形 式) を指定できます。方法は、メールボックスの名前に、拡張子としてメールボックス形式を付加し ます。例えば、メールボックスの名前をnewmailbox.mdir (mdir はmdir 形式のメールボックス の意味) と指定した場合、名前がnewmailbox でメールボックス形式がmdir のメールボックスが 作成されます。


メールボックスのサブスクリプション

アカウントのユーザーは、メールボックスのサブスクリプション( メールボックスのうち、常時アク セスするメールボックスを指定すること) が可能です。サブスクリプションしたメールボックスは、 サブスクリプションリストに一覧で表示されます。このリストは、アカウントごとにCommuniGate Pro サーバーによって管理されますが、CommuniGate Pro サーバーでは直接は使用されません。

ほとんどのIMAPメーラーの場合、アカウントのサブスクリプションリストを使って、そのリストに 登録されているメールボックスだけが表示されます。WebUser インターフェイスでも、サブスクリ プションリストの表示が可能です。

アカウントのサブスクリプションリストは、高機能IMAP メーラーやWeb インターフェイスで内容 の編集が可能です。

それほど高機能でないIMAP メーラーでもアカウントのサブスクリプションリストにアクセスできま すが、その場合、IMAP メーラー( クライアント) でサブスクリプション機能をオンにすると同時 に、サブスクリプションリストにフォリンメールボックスを追加しておかなければなりません。

注意:一部のIMAP メーラーでは、アカウントのサブスクリプションリストの再構築が必要な場合が あります。再構築後、アカウントのメールボックスのサブスクリプションが可能になります。

アカウントのサブスクリプションリストは、そのアカウントの.info サービスファイルに格納され ます。


メールボックスのエイリアス

IMAP クライアントの多く(Microsoft Outlook やOutlook Express) は、フォリンメールボックス(共 有メールボックス) を直接扱うことはできません。また、メールボックスのサブスクリプション機能 を使ってフォリンメールボックスにアクセスすることもできません。

ただし、こうしたIMAP クライアントでもメールボックスのエイリアスを使うことでフォリンメール ボックスにアクセスが可能です。

メールボックスのエイリアスとは、何らかの(フォリン) メールボックスの名前の別名をいいます。 例えば、~sales/INBOX というフォリンメールボックスにエイリアスとしてsalesBox という名前 を設定できます。この場合、IMAP メーラーではsalesBox という名前のメールボックスが表示され ます。ただし、このメールボックスは実際には~sales/INBOX (アカウントsales のINBOX) で す。

メールボックスのエイリアスは、アカウントのメールボックス階層の最上位レベルにだけ作成できま す。つまり、メールボックスのエイリアス名にはスラッシュ(/) を付けることはできません。

メールボックスのエイリアスの名前としては、フォリンアカウントの名前(フォリンメールボックス の名前のアカウント名、つまり~accountName の部分) を指定します。したがって、そのフォリン アカウントのメールボックスのうち、アクセス可能なメールボックスすべてにアクセスが可能になり ます。メールボックスのエイリアス名は、選択不可能な名前として表示されます。

設定例:

アカウントchief があり、そのオーナーが自分のメールボックスINBOX とPending につ いて、アカウントassistant に対して"lookup"、その他のアクセス権を付与していたとし ます。

また、アカウントassistant のユーザーが、~chief (フォリンアカウント) を指すエイ リアスとしてboss を作成したとします。

この場合、ユーザーassistant がIMAP クライアントまたはWebUser インターフェイスを 使って自分のアカウントに接続すると、自分のメールボックスのほか、boss というメール ボックス(選択不可)、boss/INBOX というメールボックス、boss/Pending というメール ボックスがそれぞれ表示されます。

また、ユーザーchief が自分のアカウントに新規のメールボックスUrgent を作成し、その メールボックスについてアカウントassistant にアクセス権を付与すると、ユーザー assistant のメーラーには、その新規のメールボックス(boss/Urgent) が表示されま す。


Simultaneous Access

The CommuniGate Pro Server allows several client applications to connect, open the same Mailbox, and read and modify the Mailbox data at the same time.

The CommuniGate Pro multithreaded design allows the Server to synchronize client activities without using OS-level file locks and it does not require a client to wait till all other clients close the Mailbox.

Simultaneous Access means that:

Clients accessing the same Mailbox can use the same or different Mailbox access protocols - POP, IMAP, MAPI, WebUser, or XIMSS Interface.

Simultaneous Access is supported for all Mailbox types implemented in the CommuniGate Pro software.

This feature allows you to work with your Mailbox from several workstations, and it lets a group of people (i.e. the sales department) process messages in one centralized Mailbox.


Foreign and Public Mailboxes

The CommuniGate Pro access system allows an Account user to access Mailboxes in other Accounts.
Access to these foreign Mailboxes (also called shared Mailboxes) is controlled via the Mailbox
Access Control Lists.

To access a Mailbox in a different Account, the Mailbox name should be specified as ~accountname/mailboxname. For example, to access the INBOX Mailbox in the Boss Account, the Mailbox name should be specified as ~Boss/INBOX .

If there are several local domains on the Server, Mailboxes in a different domain can be accessed by specifying full Account names. To access the LIST/reports Mailbox in the Account ListMaster in the client.com domain, the Mailbox name should be specified as ~ListMaster@client.com/LIST/reports.

Account names specified after the "~" sign are processed with the ルータ, so Account Alias names can be used instead of the real Account names, and all Routing Table rules are applied.

Very often Foreign Mailboxes are used:

CommuniGate Pro can provide "public" Mailboxes, too. This can be done by creating an Account public, and assigning public Access rights to its Mailboxes. Usually, each group of public Mailboxes is managed by some administrator, who is not required to be a CommuniGate Pro administrator.

A CommuniGate Pro Server administrator should create the public Account, log into that Account using the WebUser Interface or a decent IMAP client, create some public Mailboxes, and grant administration rights to regular users that will administer these public Mailboxes. Those users will then grant access rights to other users, create sub-Mailboxes, and perform other administrative tasks.

For example, a public Mailbox administrator can use Automated Rules to copy certain incoming messages directly into some public Mailbox.

Some IMAP clients (such as Microsoft Outlook and Outlook Express) do not support foreign Mailboxes at all. To let those clients access shared Mailboxes in other Accounts, Mailbox Aliases can be used.


External Mailboxes

On some systems users have direct (login) access to the mail server computer, and some of them get used to Local Mailers - mail, elm, and others. Local Mailers do not use any network protocol to access mailboxes. Instead, those programs read and modify mailbox files directly, via the file system.

The CommuniGate Pro allows you to create Accounts with External INBOX Mailboxes. These Mailboxes are stored not inside the CommuniGate Pro base directory, but in the system directory known to the legacy mailer applications.

Since these INBOX files can be read and modified directly, bypassing the CommuniGate Pro protocols and modules, the Server needs to synchronize its activity with legacy mail applications using OS file locking features - either FileLevel locks or FileRange locks.

On Unix systems the FileLevel locks are known as flock operations, and RangeLevel locks are known as fcntl operations. Check with your OS manual to see which method the legacy mailers use on your system, and configure the CommuniGate Pro Server to use that method. For systems that support only one file locking mechanism (MS Windows, Sun Solaris, and some other systems), selecting either method selects that mechanism.

You should use External Mailboxes only when absolutely necessary, because:

If you have to support Local Mailer compatibility for all or some Accounts in a Domain (usually - in the Main Domain), you should specify the External Mailboxes settings for that Domain.

When you create an Account that has an External INBOX, the Server checks if the Account INBOX file already exists in the specified location and creates one if the Mailbox file is absent.

When you delete an Account that has an external INBOX, the Server does NOT remove the INBOX Mailbox file.


CommuniGate® Pro Guide. Copyright © 1998-2007, Stalker Software, Inc.