メッセージ転送

• SMTPは、インターネットを介してメーラーアプリケーションなどのメールサービスから メッセージを受け取り、そのメッセージを送信（転送） するという処理を行います。
• RPOPは、リモートPOP サーバーから取り出されたメッセージを送信します。Submit Address （送信アドレス） タグの内容は、RPOP です。
• Local Deliveryは、メールの自動処理ルールを使って生成されたメッセージを送信します。
• Local Deliveryモジュールは、指定されたドメインの'all' アドレス宛てのメッセージ、また指定されたドメインのフォワーダ宛てのメッセージを再送信します。Submit Address タグの内容は、ALLF です。
• PIPEは、外部アプリケーションからプロセス間通信チャンネルを介して送られてきたメッセージ、また、送信済み（Submitted） ディレクトリに格納されているメッセージを送信します。
• POPは、メーラーアプリケーションのうち、XTND XMIT プロトコル拡張機能がサポートされているメーラーアプリケーションからメッセージを受け取り、送信します。
• IMAPモジュールは、MAPIクライアントアプリケーションからメッセージを受け取り、送信するという処理を行います。Submit Address （送信アドレス） タグの内容は、IMAP です。
• WebUser インターフェイスモジュールは、Web ブラウザで作成されたメッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、HTTP です。
• XIMSS module submits messages composed within XIMSS clients. The Submit Address tag used: XIMSS.
• リアルタイムアプリケーションは、受信ボイスメールなどのメッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、PBX です。
• Enqueuerコンポーネントは、サーバーワイドまたはクラスタワイドのメールの自動処理 ルールを使って作成されたメッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、SRULEです。
• Dequeuerコンポーネントは、配信通知メッセージ（Delivery Notification Message） を生成し、送信します。Submit Address タグの内容は、DSN です。
• WebUser インターフェイス、XIMSSモジュールは、開封通知メッセージ（Message Disposition Notification Message） を生成し、送信します。Submit Address タグの内容は、MDN です。
• カレンダリングコンポーネントは、イベント要求応答メッセージ（Event Request Reply message）を生成し、送信します。Submit Address タグの内容は、ICAL です。
• LISTモジュールは、メーリングリストの加入ユーザーに配信されるメッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、LIST です。
• LISTモジュールは、管理要求の処理時に生成された応答メッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、LSRV です。
• LISTモジュールは、個々の加入ユーザー宛の各種メッセージ（Warnings、Hello、Bye など）を送信します。Submit Address タグの内容は、LSTM です。
• LISTモジュールは、メーリングリストのオーナー宛のメッセージを送信します。Submit Address タグの内容は、LSTO です。
• LISTモジュールは、グループ宛のメッセージを再送信します。Submit Address タグの内容は、GROUP です。
• トリガーハンドラコンポーネントは、通知メッセージを生成し、送信するという処理を行います。Submit Address タグの内容は、EVENT です。
• 合法傍受コンポーネントは、レポートメッセージを生成し、送信するという処理を行います。Submit Address タグの内容は、LWIT です。

各モジュールのメッセージのデスティネーション（転送先） は次の通りです。

• SMTP モジュールでは、インターネットを介して別のSMTP メールサーバーにメッセージが転送されます。
• the LIST モジュールでは、　メーリングリストのポスティング（投稿メッセージ） とメーリングリスト管理要求が処理されます。
• the Local Delivery モジュールでは、ローカルのユーザーのメールボックスにメッセージが転送されます。
• the PIPE モジュールでは、プロセス間通信チャンネルを介して外部アプリケーションにメッセージが転送されます。
• Queue モジュールは、NULL アドレスまたはERROR アドレスにルートされるメッセージを転送（廃棄） します。

モジュールからメッセージが送信されると、カーネルコンポーネントにより、そのメッセージのエン ベロープ情報がチェックされます。チェックでは、受取人アドレスが解析され、その情報がルーテコンポーネントに渡されます。その後、ルータコンポーネントによって、そのメッセージを処理する モジュールまたはカーネルコンポーネントが決定（ルーティング） されます。

上記の受取人アドレスの解析、またルーティングと並行して、エンキューア（Enqueuer） コンポーネ ントにより、そのメッセージに対してサーバーワイドルールが適用され、処理されます。その後、エ ンキューアから、ルータコンポーネントで指定されたモジュールにメッセージが渡されます。

メッセージがモジュールで受信された場合、そのモジュールですぐには処理されず、メッセージは、 そのモジュールのキューに一時的に格納されます。例えば、SMTP モジュールには、インターネット ドメインごとにキューがあり、ドメインに応じて、キューにメッセージが格納されます。また、Local Delivery モジュールの場合、ローカルアカウントごとにキューが用意されます。

• synchronously: as soon as messages are composed and submitted, Routing and Sever-wide/Cluster-wide Rules are applied, and the message composer component is informed if the message has been rejected (for example, if an External Filter has found a virus in the message). For example, the SMTP incoming channel sends a negative response to the sender of an infected message, the message is not enqueued, and no error report (bounce) messages are generated for infected messages.
• asynchronously: the composer component immediately receives a positive response, and it can continue processing without waiting for the Enqueuer component. For example, the SMTP incoming channel can immediately start receiving the next message.

Most of the internal components enqueue messages asynchronously, as they cannot do anything useful if a message is rejected with the Enqueuer component. The components receiving messages directly from users or remote systems (SMTP, MAPI, WebMail, XIMSS) try to enqueue messages synchronously, so if a message is rejected with the Enqueuer component, the submitting agent (a user or a remote system) can get an error message.

エンキューアコンポーネントの動作（ メッセージがモジュールに送信されるときの処理） は、Web ブラウザを使って設定が可能です。設定する場合、WebAdmin インターフェイスの［Settings］ セク ションの［Queue］ ページを開きます。

ログレベル

このオプションを使って、エンキューアコンポーネントによってサーバーログに記録される情 報の種類または範囲を指定できます。このオプションは、通常、［Failures］ （ファイルシステ ムエラーレポート） に設定しておきます。
エンキューアコンポーネントのログレコードには、ENQUEUER タグが付加されます。　 また、ログレコードがサーバーワイドルールを使って処理された場合、そのログレコードには ENQUEUERRULES タグが付加されます。

非同期エンキュー

Select this option to use the asynchronous Enqueuer mode for all components, including those directly receiving messages from users or remote systems.

スレッド数

このオプションでは、エンキューアプロセッサ（スレッド） の数を指定できます。なお、エ ンキューアスレッドは、負荷が大きい場合でも通常は１ つで十分です。スレッドの数は、例 えば、次のような場合に増やす必要があります

• 適用されるルールの数が多い。
• サーバーワイドルールで、Execute アクションを使って外部プログラムを起動するように設定している。
• 外部フィルタ （アンティウィルス、コンテンツフィルタリングなど） プログラムを有効にしている。
• 受信処理の負荷が大きく、SMTP モジュールなどを介して毎秒多くのメッセージが送信される。

モジュールで受信されたメッセージの数は、SNMP要素numEnqueuerMessages で取得でき ます。なお、値は、キューに格納されたメッセージの数で、未格納のメッセージの数は入っ ていません。この値が増えるようであれば、エンキューアプロセッサの数を増やすことが必 要です。

ホップ数制限

メッセージがいずれかのホストまたはモジュールで受信されるときには、Received: ヘッダ フィールドが自動的に追加されます。［Hop Counter］ オプションを使って、このReceived:ヘッダフィールドの最大数を指定できます。Received: ヘッダフィールドの数が非常に多い場 合、そのメッセージはメールループに陥っていることも考えられます。この問題は、このオ プションを使って回避できます。メッセージのReceived: ヘッダフィールドの数が、ここで 設定した値を超えているときには、そのメッセージはエンキューアで拒否されます。つま り、メッセージのエンベロープに指定されている受取人アドレスにメッセージが配信される ことはありません。

転送モジュール（SMTP、Local Delivery、 LIST、PIPE) mには単一もしくは複数のキューがあり、この キューを介してメッセージが配信されます。モジュールではそれぞれ、独自の方法を使ってキューが 構築されます（例えば、SMTP モジュールでは通常、メッセージ配信先のリモートドメインごとに独 立したキューを構築され、一方、Local Delivery モジュールではローカルアカウントごとにキューが 構築されます）。各モジュールによるキュー構築については、詳しくは各モジュールの説明を参照し てください。

モジュールの［Monitor］ ページには、キュー名（ リンク） が表示されます。このリンクをクリック すると、そのモジュール（ホスト） のキューページが開きます。

モジュール

このキューが、どの転送モジュール（SMTP など）のキューであるかが示されます。モジュー ルの名前はリンクになっており、クリックすると、そのモジュールの［Monitor］ページが開 きます。

状態

Active - この文字列が表示されている場合、このキューが現在、モジュールによって処理されている（アクティブである）ことを示します。
Ready - このキューがいつでも、モジュールによって処理可能な状態であること、つまり処理の準備ができていることを示します。
Delayed till time - 時刻- このキューが、指定されている時刻まで処理されないこと（遅延される） を示します。例えば、このキューによる転送処理にエラーが発生している場合（SMTP ホストが応答しない、ローカルアカウントのストレージクォータが超過など）、この状態になります。

最後の問題

この欄には、直前のキュー転送処理エラーが示されます。

上記の情報の下には、キューに格納されている各メッセージに関する情報が表示されます。表示され る情報は次の通りです。

メッセージ

この欄には、メッセージの内部ID が表示されます。内部ID はリンクになっており、クリッ クすると［Message Monitor］ ページが開きます。

キュー内

この欄には、メッセージが今までキューに置かれている時間の長さが表示されます。

Return Path

メッセージのエンベロープの"Return-Path" アドレスです。

宛先数

メッセージの宛先アドレスの数で、この数のアドレスが、このキューのホスト（モジュー ル）に送られます。例えば、宛先アドレスがuser1@company.dom とuser2@company.dom の メッセージがSMTP を介して送信される場合、そのメッセージはSMTP のドメインcompany. dom のキューに格納され、この欄の値は2 となります。

サイズ

メッセージのサイズです。

遅延 と 最後の問題

メッセージの配信が失敗したときには、転送モジュールによって、そのメッセージの配信が 遅延されます（キュー全体の処理が遅延されることはありません）。その場合、この欄に再 度、そのメッセージが配信される時刻が表示されます。［Last Error］ 欄には、転送処理が失敗した理由が示されます。

［Can Release Queues］アクセス権があり、現在の状況（Status） が［Delayed］ の場合（上記を参照）、 モジュールのキューページには［Release Now］ ボタンが表示されます。このボタンをクリックする と、キューに設定されている遅延時間がリセットされ、キューの処理がすぐに再開されます。

また、［Can Reject Queues］アクセス権があり、現在の状況（Status） が［Delayed］ または［Ready］ の場合（上記を参照）、モジュールのキューページには［Reject Host Queue］ ボタンが表示されます。 このボタンをクリックすると、キューが拒否（取り消し） されます。

［Reject Host Queue］ ボタンの右のフィールドにはテキストを入力できます。入力したテキストを 使って、このキューに格納されている全メッセージに関するエラーレポートが作成されます。

［Can Reject Queues］アクセス権がある場合、［Reject Message］ ボタンが表示されます。このボタン をクリックすると、アクティブのアドレスの処理がすべて拒否（取り消し） されます。

［Reject Message］ ボタンで拒否されるのは、アクティブのアドレス（未処理のアドレス） だけです。

ボタンの右のフィールドにはテキストを入力でき、このテキストを使って、拒否された受取人アドレ スに関するエラーレポートが生成されます。