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Version 5.1 |
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CommuniGate Pro では、いろいろな方法で多数のドメインを扱えます。ただし、ドメインを扱う場 合、その機能や内容を十分に検討することが必要です。例えば、新規のセカンダリドメインが必要 なのか、または、既存のCommuniGate Pro ドメインにメールドメインの名前(エイリアス) を割り 当てるだけでいいのかを考慮しなければなりません。
CommuniGate Pro サーバーでは、メインドメインのほかにセカンダリドメインを作成できます。ここ では、メインドメインとセカンダリドメインを「リアルドメイン」または「CommuniGate Pro ドメイ ン」と呼びます。
CommuniGate Pro ドメインは、通常、その中のアカウントの名前、設定、WebUser インターフェイス などはそれぞれ異なります。また、同一のドメインには、同じ名前のアカウントを作成することはで きません。ただし、ドメインが異なれば、同じ名前のアカウントがあってもかまいません。例えば、 client1.com とclient2.com という2つのCommuniGate Pro ドメインがある場合、どちらのドメイン にも同じアカウントinfo を作成できます。ただし、それぞれ、設定やメールボックス、パスワード は異なります。
また、CommuniGate Pro ドメインにはそれぞれ、ドメイン管理者(複数可)置く(定義する) こと ができます。
リアルドメイン(CommuniGate Pro ドメイン) に、用途に応じてエイリアス(別名) をいくつか設定 し、使用したいケースも少なくありません。例えば、company.com というドメインがある場合、その ドメインにmail.company.com とrelay.company.com という2 つのエイリアスを作成し、それ ぞれメール用のドメイン、リレー用のドメインとして使いたいこともあります。
上記の2 つのエイリアスを作成したい場合、company.com の[Domain Settings]ページを開き、[Aliases] リストにmail.domain.com と入力します。入力後、[Update] ボタンをクリックすると、そのエイ リアスが作成されます。同様に、空白のフィールドにrelay.company.com と入力します。同じく、 [Update] ボタンをクリックするとエイリアスが作成されます。
この2 つのエイリアスを作成すると、各エイリアスに対する参照はどちらも、ルータ上でドメイン( リ アルドメイン) company.com に対する参照と解釈されます。また、これでマッピングが完了し、そ の結果、info@mail.company.com またはinfo@relay.company.com に宛てられたメッセージ はすべて、ドメインcompany.com のアカウントinfo に送信されます。
上記の2 つのエイリアスは、メールの送信だけでなアカウントへのアクセスにも使用できます。つま り、ユーザーがinfo@mail.company.com にアクセスすると、ドメインcompany.com のアカウン トinfo が開きます。
また、上記のマッピング処理(直接マッピング) は、次のようにルータドメインレコード( ドメイ
ンに関するルータレコード= ドメインをマップ) を使って行うこともできます。
mail.company.com = company.com
relay.company.com = company.com
さらに、次のようにルータエイリアスレコード(エイリアスに関するルータレコード=エイリアス
をマップ) によるマッピングも可能です。
<*@mail.company.com> = *@company.com
<*@relay.company.com> = *@company.com
メールドメインが必要なものの、CommuniGate ドメインを新たに作成するまでもなく(例えば、その メールドメインに登録するアカウント数が非常に少ないなど)、そのため、エイリアスを作成するとし ます。また、そのメールドメインのアカウント名と、エイリアスの作成元のドメインのアカウント名 を別個にしたかったとします。
例えば、client.com というCommuniGate Pro ドメインがあり、このドメインのアカウントとしてinfo とorder があります。ここで、info@shop.client.com とorder@shop.client.com というア ドレスを介して、それぞれinfo とorder でメールを受け取るようにしたかったとします。
上記の場合、次のようにルータエイリアスレコードを使ってマッピングを行います。
<*@shop.client.com> = shop-*@client.com
上のルータエイリアスレコードを定義することで、info@shop.client.com 宛のメールはshopinfo@ client.com に配信されます。また、order@shop.client.com 宛のメールはshoporder@ client.com に配信されます。
したがって、ドメインclient.com には、shop-info とshop-order というアカウントを作成し ておかなければなりません(どちらも「中間」アカウントです)。
shop-info とshop-order に配信されたメールは、メーラー上で、メールサーバーの名前として client.com、アカウント名としてshop-info とshop-order を指定することで取り出せます。
上では、ルータエイリアスレコードを使ってマッピングを行っていますが、次のようにして、
info@shop.client.com とorder@shop.client.com を直接、CommuniGate Pro ドメイン
client.com にマッピングすることもできます。
<info@shop.client.com> = shop-info@client.com
<order@shop.client.com> = shop-order@client.com
<*@shop.client.com> = *@client.com
なお、上の場合、一般エイリアスレコード(アステリスクを使用したレコード) は、2 つのレコード の後に定義しなければなりません。
メールドメイン宛のメールをすべて、単一のアカウント(統合ドメインワイドアカウント) に格納さ れるように設定できます。この統合ドメインワイドアカウントは、次のような場合に有用です。
以上のように定義することで、ドメインclient.com に宛てられたメールはすべて、CommuniGate Pro のメインドメインのアカウントclient (統合ドメインワイドアカウント) に格納されます。.local は接尾辞で、この接尾辞により、Local Delivery モジュール上で、アドレスが統合ドメインワイドアカ ウントのアドレスとして認識され、メールがアカウントclient に直接、配信されます。
処理の際、 Local Delivery モジュールでは、アドレスのローカル部を使ってX-Real-To: というヘッ ダフィールドが作成され、このフィールドがメッセージにそれぞれ追加されます。このヘッダフィー ルドを使って統合ドメインワイドアカウントに格納されているメッセージを取り出し、メールドメイ ンの所定のユーザーに配信するという操作が可能です。この処理については、詳しくは本マニュアル の「Local Delivery モジュール」のセクションの説明を参照してください。
メールドメインのユーザーによっては、メールサーバーが利用できないため、統合ドメインワイドア カウントからメールを取り出せないユーザーもいます。ただし、その場合でも、直接CommuniGate Pro サーバーに接続できるときには、POP モジュールを介して、統合ドメインワイドアカウントのメッ セージのうち、そのユーザーに宛てられたメッセージだけは取り出すことができます。この処理につ いては、詳しくは本マニュアルの「POP モジュール」のセクションを参照してください。
なお、次のルータレコードを使っても、 ドメインclient.com 宛のメールをすべて統合ドメインワ
イドアカウント( この場合、client) に格納することができます。
<*@client.com> = client
ただし、上のルータレコードの場合、オリジナルのユーザー名に関する情報(@ の前の部分) は破棄
されます。その結果、アカウントclient に格納されるメッセージには、ヘッダフィールドX-Real-
To: は追加されません。
統合ドメインワイドアカウントとマッピングを組み合わせることもできます。例えば、
jim@client.com宛のメールがCommuniGate Proのメインドメインのアカウントclient-jimに格納
されるようにし、一方、jim@client.com 宛以外のメールは統合ドメインワイドアカウント
client に配信されるように設定できます。この場合、次のルータレコードを使います。
<jim@client.com> = client-jim
<*@client.com> = *@client.local
統合ドメインワイドアカウントは、とくに小さいメールドメインを多数使いたい場合に有用です。こ の方法を使うことで、メールドメイン用のCommuniGate Pro ドメインを多数作成する必要はなくな ります。