![]() |
Version 5.1 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP) を介して、クライアントコンピュータ上で、 リモートメールサーバーのメールボックスに格納されているメッセージを扱うことができます。処 理では、まず、メーラー( メールクライアント) アプリケーションが動作しているコンピュータか ら、メールサーバーコンピュータに対して接続が実行され、アカウント(ユーザー) 名とパスワードが送信されます。接続先のアカウントにアクセスする権限が付与されている場合、メールアプリ ケーションからメールサーバーにプロトコルコマンドが送られます。このプロトコルコマンドを介し て、メールボックスのメッセージがすべてリストアップされます。また、必要に応じてメッセージの 取り出しや削除、属性によるメッセージの検索、メールボックス間のメッセージの移動などが実行さ れます。
CommuniGate Pro のIMAP モジュールは、各種のインターネット標準(RFC) をサポートしているほ か、各種の機能も搭載しています。
IMAP モジュールの設定を行う場合、Web ブラウザ(WebAdmin) で[Settings] セクションの [Access] ページを開きます。
[Log] オプションでは、IMAP モジュールによってサーバーログに記録される情報の範囲( ログレベ ル) を指定できます。通常、このオプションは[Major] ( メッセージ転送レポート) または [Problems] ( メッセージ転送/ 非致命的エラー) にしておきます。一方、IMAP モジュールに問題が 発生していると思われるときには、[Low-Level] または[All Info] に設定します。この場合、それぞ れ、プロトコルレベルの情報またはリンクレベルの情報がシステムログに記録されます。なお、問題 が解決すれば、ログレベルを元に戻します。[Low-Level] または[All Info] のままにしておくと、シ ステムログファイルのサイズが急速に大きくなります。
システムログのレコードのうち、IMAP モジュールによって記録されたログにはIMAP タグが付加さ れます。
[Maximum Number of Channels] オプションでは、IMAP モジュールで使用されるチャンネル(接 続) の最大数を指定できます。この数は、IMAP モジュールが作成できる「リスナー」の最大数です。メールクライアントによってサーバーのメッセージが取り出される際、メールクライアントから IMAP モジュールに対してIMAP 接続が実行され、その接続がIMAP モジュールで受け付けられます。 このオプションでは、IMAP モジュールで受け付けられる同時接続の最大数を指定できます。接続の 際、オープンしている受信接続が、この数を超えた場合、新規の受信接続は拒否されます。したがっ て、メールクライアントでは再度、接続を試行しなければなりません。
IMAP モジュールは、デフォルトでは、クリアテキスト接続はTCP ポート143、セキュア接続はTCP ポート993 で受け付けられるように設定されています。この設定については、詳しくはリスナーの セクションを参照してください。
IMAP モジュールではSTARTTLS コマンドがサポートされており、このコマンドを使ってクライアン トメーラーからまず、クリアテキストで接続を確立し、その後、セキュア接続に切り換えることがで きます。
一般のIMAP サーバーでは、オープンされているメールボックスには「ロック」がかけられます。し たがって、複数のクライアントからの同時アクセスは不可能です。一方、CommuniGate Pro のIMAP は、任意の数のクライアントが任意のメールボックスに対して同時にアクセス(マルチアクセス) で きるように設計されています。
クライアントによるマルチアクセス機能は、CommuniGate Pro のメールボックスマネージャによって 実装されます。詳しくは、「共有」のセクションの共有の説明を参照してください。
MAP モジュールでは、RFC2086 (IMAP4 ACL 拡張) プロトコルがサポートされています。このプロ トコルにより、IMAP クライアントのユーザーは、自分のメールボックスに対するアクセス権を別の ユーザーに付与できます。
メールボックスのアクセスコントロールリスト(ACL) については、詳しくは「メールボックス」の セクションのメールボックスを参照してください。
メールボックスのアクセス権の設定を行う場合、メールクライアントとしては、ACL プロトコル拡 張がサポートされている最近のIMAP クライアントを使用しなければなりません。なお、こういった クライアントが利用できないときには、WebUserインターフェイスで設定することもできます。
CommuniGate Pro では、ユーザーは別のアカウント(ユーザー) のメールボックスにアクセスできま す。詳しくは「メールボックスの共有」のセクションの共有を参照してください。
一般的なIMAP クライアントでは、通常、フォリンメールボックスはサポートされていません。こう いったIMAP クライアントでフォリンメールボックスを使用したい場合、「サブスクリプション」ス キームを使用します。サブスクリプションとはメールクライアントの機能で、サーバー(のアカウン ト設定) にメールボックスの名前のリスト(サブスクリプションリスト) を格納しておける機能をい います。サブスクリプションリストは、通常、メールクライアントを最初の設定するときに作成でき ます。その後、このサブスクリプションリストに登録されているメールボックスだけが表示されま す。
IMAP クライアント(またはWebUser インターフェイス) では、サブスクリプションリストにフォリ ンメールボックスの名前(例えば、~sales/processed または~public/news/company など) を追加することもできます。したがって、IMAP クライアントが古く、フォリンメールボックスがサ ポートされていないときでも、この方法を使って、フォリンメールボックスを扱えます。つまり、 フォリンメールボックスの名前をサブスクリプションリストに追加することで、そのアカウントの メールボックスのほか、フォリンメールボックスも表示されるようになります。
IMAP クライアントによっては(例えば、Microsoft Outlook やOutlook Express)、上記の方法も使えな いことがあります。その場合、メールボックスのエイリアスを作成することで、メールクライアン トから別のアカウントのメールボックス(共有メールボックス) にアクセスできます。
IMAP モジュールでは、CommuniGate Pro サーバーでサポートされている認証方式はすべてサポート されています。
認証方式のオプション[CLRTXT Login Method] が無効になっており、接続がSSL/TLS による暗号化接 続でもない場合、サポートされている認証方式のリストにキーワードLOGINDISABLED ( ログイン無 効) が追加されます。
IMAP モジュールでは、アカウントの認証後、そのアカウントに送信されるメッセージとして、待機 中のアラートメッセージがあるかどうかチェックされます。あった場合、そのアラートメッセージ が、標準のIMAP 応答コードである[ALERT] を使って、そのアカウントのクライアントメーラーに送 信されます。
ユーザーの認証後、IMAP モジュールにより、アラートメッセージがあるかどうかチェックされま す。また、IMAP セッションの最中にアラートメッセージが検出されたときには、その時点でクライ アントメーラーに送信されます。
IMAP モジュールでは、RFC2221 ( ログインリファーラル) がサポートされています。アクセスのセ クションで説明したように、メールクライアントで指定されているユーザーのアドレスはすべて、ルータによって処理されます。そのアドレスが外部のインターネットアドレス(SMTP モジュールを 介して処理されるアドレス) だった場合、IMAP モジュールから否定(拒否) 応答とログインリ ファーラルが出力されます。ここで、IMAP クライアントでログインリファーラルがサポートされて いる場合、アドレスが新規のアドレス(移動先のアドレス) に自動的に切り替わります。
IMAP モジュールのアクティビティは、WebAdmin インターフェイスを使って監視できます。
IMAP モジュールのモニタリングを行いたい場合、[Monitors] セクションの[Access] リンクをク リックします。クリック後、IMAP の[Monitoring] ページが開きます。
IMAP セッションがMAPI接続で実行されている場合、その行の背景は薄い緑で示されます。
CommuniGate Pro のSNMPエージェントを使って、IMAP アクティビティの統計データを取得できます。
CommuniGate Pro のIMAP モジュールでは、多数のIMAP 拡張機能がサポートされています。そのう ち、次の拡張機能は、ドメイン管理者またはサーバー管理者向けです。
CommuniGate Pro のIMAP モジュールでは、IMAP 標準ではない拡張機能、また既存のIMAP 拡張標準 には含まれていない拡張機能もサポートされています。以下、こういった機能( コマンド) について 説明します。