CommuniGate Pro
Version 5.1
アカウントへのアクセス
 
 
 
MAPI

MAPI コネクタ

CommuniGate Pro サーバーは、Microsoft Windows アプリケーションでMAPI (Microsoft メッセージン グAPI) がサポートされている場合、そのアプリケーションの「サービスプロバイダ」として使用す ることができます。この機能を使用するときには、特殊なコネクタライブラリ(CommuniGate MAPI コネクタDLL) をクライアントMicrosoft Windows ワークステーションにインストールします。

The CommuniGate Pro MAPI Connector requires a Groupware-type License Key. The Server accepts up to 5 concurrent MAPI sessions without this Key.

MAPI コネクタの概要

MAPI は、メッセージングアプリケーションプログラミングインターフェイスの略称です。MAPI は、 Microsoft Windows オペレーティングシステムに内蔵のシステムコンポーネントとAPI で構成されてい ます。このコンポーネントとAPI、またアプリケーションが統合された形で処理が実行されます。

CommuniGate Pro のMAPI コネクタを使用することで、処理効率が向上します。つまり、MAPI コネク タを使った場合、Windows アプリケーションとグループウェアサーバー(また、その他のデータ格納 メカニズム) との間で直接、通信が行われることはなくなります。代わりに、アプリケーションから メッセージング要求(例えば、メールボックスの内容のリストの取得、ナンバーX のメッセージの取 り出しなど) がMAPI コンポーネントに送られます。その後、MAPI コンポーネントにより、インス トール済みの「コネクタ」モジュールを使って、メッセージング要求がExchange Server やローカルの 「パーソナルフォルダ」、またファックスサーバーなどに送信されます。

MAPI コネクタでは、追加の「コネクタ」を作成し、そのコネクタを介して各種のサーバーソフトウェ アとの間で通信を行うことができます。ただし、追加のコネクタを使うときには、データフォーマッ トの問題を解決しなければなりません。というのは、追加のコネクタを使った場合、Windows アプリ ケーションからMAPI を介してコネクタにデータオブジェクトが送信されますが、その場合、フォー マットとしてはいわゆる「MAPI オブジェクトフォーマット」が使用されるためです。このフォーマッ トは、どのインターネットフォーマットとも共通点がありません。CommuniGate Pro のMAPI コネク タには、このフォーマットを標準インターネットフォーマットに変換する機能があり、変換後のメッセージングオブジェクトは、標準のインターネットメッセージとしてCommuniGate Pro のメールボッ クスに格納されます。また、CommuniGate Pro のメールボックスのメッセージの取り出しの際には、 MAPI コネクタにより、自動的にメッセージのフォーマットがMAPI オブジェクトフォーマットに変換 され、変換後のオブジェクトがMAPI とWindows アプリケーション(Outlook など) に送られます。 データフォーマットの問題は、以上のようにして解決されます。

MAPI コネクタを使った場合、上記のようにメッセージは標準のインターネットフォーマットでメー ルボックスに格納されるため、メッセージは、POP3 メールクライアントやIMAP メールクライアン ト、またWebUser インターフェイスで読むことができます。

The CommuniGate Pro MAPI Connector also performs data conversion between proprietary Microsoft "objects" data formats and the standard Internet data formats.
Because the standard Internet formats are used, messages stored with the CommuniGate Pro MAPI Connector can be read using any standard POP3 or IMAP mail client, the CommuniGate Pro WebUser Interface, or any XIMSS-based client.

The CommuniGate Pro MAPI Connector uses TCP/IP networks and should be configured to connect to any non-TLS (clear text) IMAP port of your CommuniGate Pro server (the port 143 is the standard IMAP port).

The CommuniGate Pro MAPI Connector supports both clear text and secure (SSL/STARTTLS) connections, and it can use plain text and secure CRAM-MD5 login methods.

The CommuniGate Pro MAPI Connector contains two code parts (shared libraries). The starter code part should be installed on Windows workstations. It provides the configuration interface and it is used to connect to the CommuniGate Pro server. The main MAPI Connector functionality is implemented as a shared library stored in the Server application directory, and it is called the server code part.
When the MAPI Connector starter code connects to the CommuniGate Pro Server, the Server sends the server code part of the MAPI Connector to the client computer.
This method allows you to deploy "regular" MAPI Connector updates by updating your CommuniGate Pro Server software only, without running the MAPI Connector Installer on all client workstations.

MAPI Clients Schema

MAPI コネクタのインストール

MAPI コネクタを使用する場合、各Windows ワークステーションにMAPI コネクタの共有ライブラリ (.dll) をインストールしなければなりません。インストールする場合、まず、MAPI コネクタアーカ イブをダウンロードし、アンパックします。アンパックすると、フォルダにSetup.exe ファイルが作 成されます。

Setup.exe アプリケーション(アンパック済み) を起動します。アップデートの場合も同様です。イン ストール後、場合によってはメールプロファイルを再構築するように指示されます。

MAPI コネクタのSetup.exe アプリケーションは、サイレントモード(ユーザーインターフェイスダイ アログボックスの表示なし) で起動することもできます。サイレントモードで起動する場合、次のコ マンドラインパラメータを指定します(パラメータによって処理内容は変わります)。
/iMAPI コネクタのインストールまたはアップグレード
/rMAPI コネクタの削除
/qプロファイル設定なし
/Qエラーメッセージの表示なし

上記のサイレントモードでは、MAPI コネクタのスターターコード部のインストールまたはアップグ レードも可能です。その場合、Windows のネットワーク管理ツールを使用します。

cgmxui32.inf ファイルを使って、MAPI コネクタ用のアカウント設定の定義、また共有アカウント の設定を自動的に行うことができます。このファイルはダウンロードして入手できます。ダウンロー ド後、必要に応じて内容を編集し、Setup.exe アプリケーションと同じディレクトリに置きます。 これで、Setup の実行(インストール)時に自動的に、このファイルが使用されます。


メールプロファイルの作成

MAPI コネクタをWindows クライアントワークステーションにインストールした後、メールプロファ イルを作成します。このメールプロファイルにより、Outlook などのアプリケーションで、サービス としてCommuniGate Pro のMAPI サービスが使用されるようになります。

使用しているアプリケーションがOutlook 98 またはOutlook 2000 の場合、「グループウェア」モード で動作していることを確認します。確認方法は、Outlook を起動し、[Tools] メニューから [Options] コマンドを選択します。[Options] ダイアログボックスが開きます。[Mail Services] タブ を選択し、[Reconfigure Mail Support] ボタンをクリックします。クリック後、[E-mail Service Options] ダイアログボックスが開きます。ここで、[Corporate] オプションまたは[Workgroup] オ プションが選択されていれば、グループウェアモードで動作していることを示しています。
注意: 上記のようにしてOutlook の動作モードを変更する場合、Microsoft Office インストールCDROM が必要になることがあります。

[Mail] コントロールパネルを開き、[Show Profiles] ボタンをクリックします。メールプロファイル のリストが表示されます。MAPI コネクタのインストール後、メールプロファイルを再構築するよう に指示されることもありますが(上記を参照)、この指示が表示されたときには、古いメールプロ ファイルを選択し、[Remove] ボタンをクリックします。これで、そのメールプロファイルが削除さ れます。

[Add] ボタンをクリックし、新規のメールプロファイルを作成します。なお、使用しているOutlook や、インストールされた[Mail] コントロールパネルによっては、ダイアログボックスがいくつか表 示されることがあります。[Additional Server Types] オプションがあるダイアログボックスが表示さ れた場合、このオプションを選択します。その後、[CommuniGate Pro Server] を「サービス (service)」または「追加サーバータイプ(additional server type)」として選択します。

同一のメールプロファイルには、サービスを複数追加することもできます。


MAPI コネクタの設定

メールプロファイルが作成され、そのメールプロファイルにCommuniGate Pro サービス(MAPI コネ クタ) が追加されると、MAPI コネクタの設定が可能になります。MAPI コネクタの設定は、下記の 手順で行います。MAPI コネクタの設定は、後日、変更することもできます。その場合、[Mail] コントロールパネルを開き、メールプロファイルを開き、その後、CommuniGate Pro サーバーのサービス設定を開きます。また、MAPI コネクタの設定は、Outlook の[Tools] メ ニューの[Services] コマンドを使って変更することもできます。

サーバーに関する設定

[Server] タブでは、CommuniGate Pro サーバーとアカウントデータに関する設定を行います。
MAPI Server Settings
Server Name
このフィールドには、CommuniGate Pro サーバーの名前( ドメインの名前) を指定します。こ の名前は、DNS のドメイン名で、しかも、そのA レコードがサーバーのネットワーク(IP) ア ドレスを指しているドメインの名前でなければなりません。
注意: MAPI コネクタにより、ここで指定した名前がアカウント名(下記を参照) に追加され、 正式のアカウント名が生成されます。この正式のアカウント名がサーバーに送られます。この 処理により、ドメインが複数ある場合の動作が簡素化されます。なお、この名前としては、 CommuniGate Pro の
ドメインの名前のほか、CommuniGate Pro のドメインのエイリアスも使用 できます。このいずれかでなかった場合、[アカウントはリモートシステムに移動] エラーが 出力されます。
Server Port
ここには、CommuniGate Pro サーバーで使われるネットワークポートを指定します。このポー トを介して、MAPI クライアントとの間で通信が行われます。このポートは、MAPI クライアン トで使用されるポートと同じでなければなりません。
Use a Secure (SSL/TLS) connection
このオプションを選択しておくと、MAPI コネクタにより、まず、指定されているポート (IMAP ポート) に対して通常の( クリアテキスト) ネットワーク接続が確立され、その後、 STARTTLS コマンドを使って、ワークステーションとサーバーとの間で暗号化されたデータが 送受信されます。STARTTLS コマンド用(セキュア接続) のポートは、クリアテキスト接続と 同じポートでかまいません。したがって、STARTTLS コマンド用のポートを用意する必要はあ りません。
このオプションを選択し、[Server Port] オプションで993 (セキュアIMAP の標準ポート番号) を指定した場合、MAPI コネクタにより、ポート993 に対してセキュア接続が確立されます。 なお、この設定は、サーバーでセキュアIMAP 用として利用できるポートが993 だけのときに 限って使用するようにします。
セキュア接続については、詳しくは「セキュリティ」のセクションのPKIを参照してくださ い。
Use Windows Integrated Authentication (Kerberos)
Windows ワークステーションがWindows/Active ディレクトリドメインのメンバーの場合、また は、Windows ワークステーションがKerberos KDC で制御されている場合、このオプションを 選択します。この設定では、Windows のユーザー名と資格(パスワードなど) を使って CommuniGate Pro サーバーに接続が実行されます。
このオプションを選択する場合、次の点を確認してください。
  • CommuniGate Pro のアカウントのKerberos 認証が有効になっている。
  • CommuniGate Pro のドメインに適切なKerberos キー(Active ディレクトリまたはKerberos KDC からエクスポートされたKerberos キー) が存在する。
Use the Following Authentication details
Windows のユーザー名を使用する代わりに(上のオプション)、アカウント名を明示的に指定 する場合、このオプションを選択します。
Account Name
このフィールドには、CommuniGate Pro のアカウント(ユーザー) の名前を入力しま す。この名前は、アカウント名@ ドメイン名の形式で指定します。簡易形式(アカウント名のみ、@ なし) で指定することもでき、その場合、アカウント名の後ろに上記の [Server Name] オプションで指定したサーバー名が自動的に追加されます。
Password
[Account Name] フィールドで指定したCommuniGate Pro のアカウントのパスワードを 入力します。
Remember Password
このオプションを選択しておかなかった場合、サーバーに対して接続が実行されるたび にログインダイアログボックスが開き、ユーザーはパスワードを入力しなければなりま せん。選択しておいたときには、指定したパスワードがMAPI コネクタの設定データに 保存されます。したがって、接続のたびにログインダイアログボックスが開くことはあ りません。
Use Secure Authentication
このオプションを選択しておくと、MAPI コネクタからセキュア(暗号化) SASL CRAM-MD5 を使ってパスワードが送信されます。なお、パスワードが一方向暗号化方 式でサーバーに格納されるように設定されている場合(「セキュリティ」のセクション を参照)、この処理は行われません。したがって、このオプションは選択しないでおき ます。選択しない場合、パスワードはクリアテキストで送信されます。
注意: パブリックネットワークを介してサーバーに接続し、クリアテキストでパス ワードを送信しなければならない場合、このオプションを選択しておきます。これで、 パスワードは暗号化されて送信されます。

アカウントに関する設定

[Server] タブの右下にある[Account Settings] ボタンをクリックすると、[Account Settings] ダイア ログボックスが開きます。このダイアログボックスで、MAPI で使われるアカウント情報(返信アド レス、会社名など) を設定できます。
MAPI Account Settings

接続に関する設定

[Connection] タブでは、ネットワークへの接続方法を指定できます。
MAPI Connection
Offline
このチェックボックスをチェックしておくと、アプリケーションをオフラインモード(サーバー への自動接続なし、ローカルのメッセージキャッシュを使って作業可能) で起動できるように なります。このオプションをチェックしておくと、アプリケーションの起動時に接続が実行されなくなり ます(例えば、モデムが起動しません)。

その他の設定

[Advanced] タブでは、CommuniGate Pro のアカウントに関する各種設定が可能です。
MAPI Advanced

[Add] と[Remove] の各ボタンを使って、CommuniGate Pro のアカウント(CommuniGate Pro で使わ れるアカウント) の追加と削除が可能です。例えば、別のドメインのアカウントにアクセスしたい場 合、アカウントの正式の名前( アカウント名@ ドメイン名の形式) を指定します。

なお、ユーザーが別のドメインのアカウント(別のオーナーのアカウント、つまりフォリンメール ボックス) にアクセスする場合、そのユーザーに対して、別のドメインのアカウントのオーナーから メールボックスアクセス権が付与されていることが必要です。そうでない場合、ユーザーは、そのア カウントのメールボックスを開くことができません。フォリンメールボックスについては、詳しくは 「共有」のセクションの共有を参照してください。

[Synchronization] の下のチェックボックスを使って、どのフォルダをダウンロードするか、また、メッ セージ全体または一部をダウンロードするかを設定できます。

Include all folders in Send/Receive operation
このオプションを選択しておくと、アカウントの全フォルダの内容がダウンロードされます。 このオプションは、Outlook のメニュー(Outlook -> Tools -> Options -> CommuniGate Pro) の 設定より優先されます。
Always download entire message
このオプションをチェックしておくと、メッセージ全体がダウンロードされます(チェックし ていないときには、ヘッダだけがダウンロードされます)。

[Cache files root folder] の下のラジオボタンを使って、ローカルキャッシュ(ファイル) の格納場所 を指定できます。MAPI コネクタの処理では、ほとんどの場合、ローカルキャッシュが使われます。ま た、MAPI アプリケーション(Outlook など) でオフライン作業を行う場合、このローカルキャッシュ を使って作業できます。

Local Outlook Application Data folder
このオプションを選択しておくと、ローカルキャッシュファイルがワークステーションのデ フォルトの場所に格納されます。格納されているローカルキャッシュファイルは、そのワーク ステーションでだけ使用できます。
Global Outlook Application Data folder
Windows のローミング機能を使う場合、このオプションを選択します。また、複数のワークス テーションでOutlook を使用している場合にも、このオプションを選択します(グローバルア プリケーションデータフォルダにローカルキャッシュが格納されますので、どのワークステー ションからでもアクセスできます)。
注意: ローカルキャッシュファイルは、サイズが非常に大きくなることがあります(MAPI コ ネクタの設定によっては、サーバーのメールボックス全部のコピーがローカルキャッシュに格 納されることもあります)。キャッシュファイルが大きくなった場合、ワークステーション上 でローミングデータをすべてコピーするという処理が必要になるため、ワークステーションへ のログインに時間がかかることもあります。
Custom
場所を指定し、その場所にローカルキャッシュファイルを格納する場合、このオプションを使用しま す。例えば、ファイルサーバー上の共有フォルダを指定することで、ローミングによる処理遅延を回 避できます。

メールボックスの共有に関する設定

ユーザーは、アクセスコントロールリストを使って、別のCommuniGate Pro ユーザーに対し、自分 のメールボックスに対するアクセス権を付与できます。

別のユーザーに自分のメールボックスへのアクセス権を設定する場合、Outlook のフォルダリストで メールボックスを選択します( このメールボックスについてアクセス権を付与します)。その後、 [Properties] コマンドを選択すると、[Properties] ダイアログボックスが開きます。このダイアログ ボックスで[Permissions] タブを選択します。
MAPI ACL

[Add] と[Remove] の各ボタンを使ってそれぞれ、アクセス権を付与するアカウントをリスト(アク セスコントロールリスト) に追加または削除できます。

また、[Permissions] の下の各チェックボックスを使って具体的なアクセス権(例えば、フラグの変 更、サブフォルダの作成など) を指定できます。メールボックスのアクセスコントロールリストにつ いては、詳しくは「メールボックス」のセクションのメールボックスの説明を参照してください。
注意: デフォルトのメールボックス(フォルダ) ビューを指定する場合、ユーザーに管理者 (Admin) アクセス権が必要です。


フリー/ ビジー情報

フリー/ ビジー情報とは、ビジー、フリー、外出中といったユーザーの状態に関する情報をいいま す。フリー/ ビジー情報は通常、公開情報で、この情報をもとに他のユーザーは会議の予定を立てた りアポを取り付けたりできます。フリー/ ビジー情報は、ユーザーのカレンダーをもとにグループ ウェアクライアントアプリケーションによって自動的に収集され、収集後、フリー/ ビジースケ ジュールが作成されます。


フリー/ ビジー情報の内容

フリー/ ビジー情報は、ユーザーのパーソナルファイルサイトに格納されます。フリー/ ビジー情報 は、公開情報とプライベート(個人) 情報で構成されています。公開情報は、標準のvCalendar フォーマットで、freebusy.vfb ファイルとしてパーソナルWeb サイトの最上位のディレクトリに 保存されます。一方、プライベート情報は、Microsoft オブジェクトデータフォーマットで、 freebusy.eml ファイルとしてパーソナルWeb サイトのprivate ディレクトリに格納されます。

フリー/ ビジー情報の内容

フリー/ ビジー情報は、ユーザーのパーソナルファイルサイトに格納されます。フリー/ ビジー情報 は、公開情報とプライベート(個人) 情報で構成されています。公開情報は、標準のvCalendar フォーマットで、freebusy.vfb ファイルとしてパーソナルWeb サイトの最上位のディレクトリに 保存されます。一方、プライベート情報は、Microsoft オブジェクトデータフォーマットで、 freebusy.eml ファイルとしてパーソナルWeb サイトのprivate ディレクトリに格納されます。

注意: 公開情報(freebusy.vfb) と個人情報(freebusy.eml) はパーソナルWeb サイトに格納 されます。したがって、アカウントのパーソナルWeb サイトの制限(サイズやファイル数) を チェックし、フリー/ ビジー情報を格納する余裕があるかどうか確認しておくことが必要です。

上記の設計により、Outlook ユーザー、また各種カレンダークライアントユーザーは、HTTP を介し て別のユーザーのパーソナルWeb サイトにアクセスし、そのフリー/ ビジー情報を取り出すことが できます。フリー/ ビジー情報(公開情報) のURL の形式は、次の通りです。

http://domainName:port/~accountName/freebusy.vfb

他のユーザーのフリー/ ビジー情報へのアクセス

アポを取ったり会議の予定を立てたりする場合、クライアントマシン上のOutlook アプリケーション から別のユーザーのフリー/ ビジー情報にアクセスできるように設定しておくことが必要です。この設定は、MAPI コネクタではできず、個々のOutlook アプリケーション側で行わなければなりません。 以下、設定の手順を説明します。

ユーザーは、Outlook アプリケーションで別のユーザーの電子メールアドレスを指定して、そのユー ザーのフリー/ ビジー情報を取り出すことができますが、上記の[Search] フィールドの設定は、そ の処理で使われます。つまり、URL の%SERVER% がアクセス先のユーザーの電子メールアドレスの ドメイン部に、また%NAME% がユーザーの電子メールアドレスのユーザー名に置き換えられます。 例えば、電子メールアドレスがjohn@myserver.dom の場合、http://myserver.dom/~john/ freebusy.vfb というURL を使ってアカウントJohn のフリー/ ビジー情報が取り出されます。

注意: 上記の[Search] フィールドのURL は、CommuniGate Pro サーバーのWebUser インターフェ イスの接続ポートが80 のときにだけ有効です。WebUser インターフェイスのポートが8100 (デフォ ルト) または非標準ポートの場合、[Search] フィールドには、そのポートを指定しなければなりま せん。例えば、次のようになります(8100 の場合)。

http://%SERVER%:8100/~%NAME%/freebusy.vfb

注意: [Search] フィールドのURL は、CommuniGate Pro のドメインにA レコードがあり(DNS)、そ のA レコードの内容がCommuniGate Pro サーバーであるときにのみ有効です。DNS システムにドメ イン(例えば、mydomain.dom) のA レコードがないこともあり、また、あっても、A レコードが別 のシステム(会社のWeb サーバー) を指している場合もあります。さらに、CommuniGate Pro サー バーのアドレス(A レコード) がmail.mydomain.com やcgate.mydomain.com、 mx.mydomain.com などのケースもあります。こういったときには、[Search] フィールドのURL を 次のように指定しなければなりません(下記は、CommuniGate Pro サーバーのアドレスが mail.mydomain.com の場合)。

http://mail.%SERVER%/~%NAME%/freebusy.vfb

注意: CommuniGate Pro サーバーのドメインが1 つの場合には、[Search] フィールドのURL を次のよ うに指定することもできます。

http://mail.mydomain.com/~%NAME%/freebusy.vfb
上で、mail.mydomain.com はCommuniGate Pro サーバーのドメイン(またはエイリアス) で、そのDNS のA レコードがCommuniGate Pro サーバーを指しています。

このURL は、同一のCommuniGate Pro サーバー(単一のドメイン) のユーザーにだけ有効です。

[Search] フィールドのURL を使って、別のCommuniGate Pro サーバーのユーザー( リモートユー ザー) のフリー/ ビジー情報を取り出すこともできます。その場合、[Search] フィールドのURL を 上書きし、リモートユーザーのフリー/ ビジー情報ファイルにアクセスできるように設定しなければ なりません。この上書き( リモートユーザーのフリー/ ビジー情報ファイルへのパスの指定) を行う 場合、そのユーザーのコンタクト(連絡先) レコードを作成した後、[Details] タブを選択します。 続いて、このタブの[Internet Free-Busy Address] フィールドにフリー/ ビジー情報ファイルのURL を入力します。なお、この設定については、詳しくはMicrosoft Outlook のマニュアルを参照してく ださい。


オフライン作業

オフラインモードの場合、CommuniGate Pro サーバーに格納されているメッセージにはアクセスは行 われません。この場合、MAPI コネクタのローカルキャッシュに置かれているメッセージだけを使っ て作業を行うことになります。そのため、作業に必要なメッセージをローカルキャッシュに格納して おく必要があります。ローカルキャッシュには、メールボックス単位でメッセージを格納できます。 以下、ローカルキャッシュに関する設定について説明します。

Outlook の[Tools] メニューから[Options] オプションを選択し、[Options] ダイアログボックスを 開きます。続いて、[CommuniGate Pro] タブをクリックします。

MAPI Folders

オフラインモードで作業するときに使用するフォルダを選択します。選択後、[Download] オプショ ンを使って、メッセージ全体を取り出すか、またはメッセージの一部を取り出すかを指定します。 [Entire Message] ラジオボタンを選択しておくと、メッセージ全体が取り出されます。この場合、左 側のリストのフォルダ名が太字で表示されます。[Header Only] ラジオボタンを選択しておくと、 メッセージのヘッダだけが取り出されます。この場合、フォルダ名は太字にはなりません。

続いて、Outlook の[Tools] メニューの[CommuniGate Pro Server] サブメニューを使って、オフラ インモードの場合の同期に関する設定を行います。

MAPI Tools Menu

[CommuniGate Pro Server] サブメニューでは、同期処理の種類として次のいずれかを指定できます。 ここで指定した処理が、送受信処理の開始されたときに実行されます。

Mark to Download Message(s)
このオプションを選択しておくと、Outlook のメールボックスビューで選択されているメッ セージが次回の送受信処理でダウンロードされます。
Mark to Delete Message(s)
このオプションを選択しておくと、Outlook のメールボックスビューで選択されているメッ セージが次回の送受信処理でサーバーから削除されます。
Unmark Selected Headers
このオプションを選択しておくと、Outlook のメールボックスビューで選択されているメッ セージに設定されている処理(つまり、上記のダウンロードまたは削除) が取り消されます。

自動ルールの設定

MAPI コネクタは、サーバーサイドルールに対応しています。したがって、サーバーサイドルールを 作成し、そのルールをアカウントに送信されるメッセージに使用することもできます。

Outlook の[Tools] メニューの[CommuniGate Pro Server] サブメニューから[Server Side Rules] オ プションを選択します。選択後、ルールエディタウィンドウが開きます。

MAPI Rules Editor

新規のルールを作成する場合、[New] ボタンをクリックします。作成されたルールには、条件とアク ションは何も定義されていません。

条件とアクションは、[Add] ボタンを使って追加できます。

MAPI Rule Action

サーバーサイドルールの設定は、自動メール処理ルールと同じです。作成と設定については、詳しく は「自動処理ルール」のセクションを参照してください。


MAPI コネクタとWebMail の統合

MAPI コネクタは、ユーザーWebMail (WebUser インターフェイス) 設定をもとに動作します。その ため、MAPI アプリケーション(Microsoft Outlook など) とWebUser インターフェイスでは、特殊 メールボックス(送信済み、書きかけ、メモ、ゴミ箱、コンタクト/ 連絡先、カレンダー、タスクな ど) の名前は同じものが使われます。その結果、MAPI アプリケーションとWebUser インターフェイ スでは両方とも、削除されたメッセージはゴミ箱メールボックス(Trash またはDeleted) に格納さ れます。また、メインカレンダー(Main Calendar) も同じものが使用されます。

MAPI コネクタではまた、トレーラーの設定としてユーザードメインメールトレーラー(Domain Mail Trailer) 設定が使われます。MAPI コネクタを介して送信されるテキストメッセージのうち、非暗号 化で、かつ署名のないテキストメッセージにはすべて、この設定の内容が追加されます。

[Account Settings] パネルで指定されている値もWebUser インターフェイス設定に格納されます。し たがって、WebUser インターフェイスとMAPI コネクタ(MAPI セッション) ではどちらも、From:、 Reply-To:、Organization の各フィールドの値は同じです。


Microsoft Exchange ユーザーとの通信

Exchange サーバーを使用しているOutlook ユーザーからCommuniGate Pro のMAPI コネクタを使用し ているOutlook ユーザーに対して、ミーティング要求(会議出席依頼) が送信された場合、問題が発 生することがあります。つまり、Exchange サーバーを介してミーティング要求が送られると、その メッセージがすべてプレーンテキストメッセージとして受信されることがあります。この問題が起こ る場合、Exchange サーバーを使用しているOutlook ユーザーは、Outlook の設定を変更する必要があ ります。設定は次のようにして行います。

Outlook の[Tools] メニューから[Options] オプションを選択し、[Options] ダイアログ ボックスを開きます。続いて、[Calendaring Options] ボタンをクリックして予定表のダイア ログボックスを開き、[Send meeting requests using iCalendar by default] オプションを有効に します。

リアルタイムコミュニケーション

MAPI コネクタを使用することで、Outlook ユーザーはCommuniGate Pro サーバーのリアルタイム (VoIP など) 機能を利用できるようになります。

例えば、Outlook ユーザーは、コンタクト(連絡先) に登録されている電話番号を使って電話をかけ ることができます。方法は簡単です。コンタクトデータを右クリックするとポップアップメニューが 表示されますので、[Call using CommuniGate Pro] を選択するだけです。

MakeCall - Contact

そのほか、[Tools] メニューの[CommuniGate Pro Server] サブメニューを使って電話をかけること もできます。

[CommuniGate Pro Server] サブメニューの場合、ダイアログが表示され、そこに相手の名前と電話番 号が表示されます。

MakeCall - Dialog
[Number] フィールドで、別の電話番号を選択できます。なお、ここで指定した電話番号は電話の発 信に使用されるだけで、コンタクトデータには保存されません。

[Start Call] ボタンをクリックすると、コールが開始されます。同時に、SIP デバイス(複数あると きは全部) が動作を開始し、音が鳴ります。SIP デバイス(電話機) をとると、選択した電話番号に コールが実行されます。

ダイアログボックスの下部には、そのコールの状態が表示されます。

MakeCall - Status

サーバーワイドの暗号化

MAPI コネクタを使用している場合、サーバーワイドルールの使用が可能です。例えば、サーバーワ イドルールを使って受信メッセージを暗号化形式で保存するという操作が可能です。

また、サーバー上でクリアテキストで受信、保存されるメッセージのセキュリティを強化することも できます。

この操作を行いたい場合、Outlook 上でメッセージを選択し、右クリックします。ポップアップメ ニューが開きます。

Encryption

ポップアップメニューで[Encrypt Message] オプションを選択します。これで、MAPI コネクタから ユーザーのデフォルトの証明書(ユーザーの公開鍵が格納されています) がCommuniGate Pro サー バーに送信されます。送信後、その証明書を使って、このメッセージが暗号化されます。暗号化され たメッセージは、暗号化S/MIME 形式でCommuniGate Pro サーバーに保存されます。つまり、その メッセージが暗号化されて送られてきたのと同じです。

暗号化S/MIME 形式でCommuniGate Pro サーバーに保存されているメッセージは、MAPI クライアン ト(Outlook) で読むこともできますし、WebUser インターフェイスを使って読むこともできます。 ただし、その場合、Windows システムとWebUser インターフェイスの両方に同じ秘密鍵と証明書が インストールされていることが必要です。これは、WebUser インターフェイスで秘密鍵と証明書を 作成し、その秘密鍵と証明書をWindows システムにエクスポートすることで可能です。または、 Windows システムからエクスポートし、WebUser インターフェイスにインポートするという方法もあ ります。


トラブルシューティング

MAPI コネクタは、MAPI アプリケーション(Microsoft Outlook) とCommuniGate Pro サーバーの間の 「仲介役」として動作します。問題が発生した場合、その原因は、クライアントアプリケーションにバ グがあるか、または、MAPI コネクタもしくはサーバーソフトウェアに問題があるかのいずれかです。 MAPI コネクタに問題があると思われるときには、その処理の詳細なログをとり、チェックすること ができます。このログは、必要であればStalker 社のテクニカルサポートに送付していただいても結構 です。

処理のログ記録など、MAPI コネクタ(CommuniGate Pro Service) のトラブルシューティングに関す る設定はMAPI コネクタの[Troubleshooting] パネルで行えます。

MAPI Debug

MAPI コネクタソフトウェアは、基本的にスターターコードライブラリとサーバーコードライブラリ という2 つのコンポーネントで構成されています。スターターコードライブラリはデスクトップコン ピュータにあり、サーバーコマンドライブラリはCommuniGate Pro サーバーから取り出されて使用さ れます。[Troubleshooting] パネルでは、この両方のコンポーネントに関する設定が可能です。

MAPI コネクタによるログ記録を有効にしたい場合、[Enable Logging] オプションを選択します。 [Maximum Log File Size] オプションには、MAPI コネクタログファイルの最大サイズを指定します。こ のサイズの範囲で、直前のレコードが記録されます。

[Enable Logging] オプションの下にある各チェックボックスを使って、MAPI コネクタのコンポーネン トの処理または機能を指定できます。ここで指定した処理や機能について、ログが記録されます。

[Show Me Log File] ボタンをクリックすると、ファイルディレクトリウィンドウが開きます。このディ レクトリにログファイルが格納されます。このログファイルを電子メールでStalker 社のテクニカルサ ポートに送信することもできます。

ログファイルを削除する場合、[Delete Log File] ボタンをクリックします。

[Compatibility]の下の各チェックボックスを使って、MAPI コネクタの互換性に関する設定を行えます。

Send in Outlook native message format
希にですが、MAPI コネクタを介して特殊メッセージ( タスク要求や転送された連絡先) が Exchange サーバーを使用しているOutlook ユーザー(または、通常のIMAP のOutlook ユー ザー) に送信された場合、そのメッセージがOutlook 上で正常に表示されないことがあります。 このオプションを有効にしておくと、この問題が解決することがあります。
Conservative mass deletion
設定によっては、Outlook の自動アーカイブ機能により、多数のメッセージが削除されてしま うことがあります。このような現象が起こる場合、このオプションを選択します。
Always convert RTF to HTML
このオプションを選択しておくと、送信メッセージのMIME のtext/rtf パートが自動的にHTML に変換されます。HTML は、ほとんどのメールクライアントアプリケーションで認識が可能で す。
Do not display "Server transaction in progress..." dialog
サーバートランザクションが長い場合、進行状況を示すウィンドウが表示されます。このウィ ンドウを非表示にしたい場合、このオプションを選択します。
Show reports in Outlook native format
Outlook では、特殊フォームを使って非配信通知メッセージが表示されるように設定できます。 この特殊フォームはインターフェイスで、このインターフェイスを使って、送信が失敗したメッ セージを再送信できます。この機能を使う場合、送信に失敗したメッセージの本文全部が非配 信通知メッセージに取り込まれる必要があります。このオプションを選択しておくと、本文全 部が非配信通知メッセージにOutlook のネイティブのフォーマットで格納されます。
Do not respond to requests for read receipts
メッセージの差出人が、メッセージの受取人に既読確認(受取人がメッセージを開いたとき に差出人に返信されるメッセージ) を要求する場合があります。このオプションを選択して おくと、既読確認要求が無視されます。

現在まで判明している制限

MAPI コネクタで使用されるプロトコルとAPI は、Microsoft から提供されているAPI を除き、インター ネット標準ではありません。こうしたAPI は、まだ洗練度が低いため、クライアント(Outlook) の機 能の中にはMAPI コネクタで実現できていない機能もあります。Stalker Software では、こういった問 題について研究しており、MAPI コネクタのアップデートも定期的に提供しています。

Stalker Software では、現在判明している問題やユーザーから報告された問題をKnown MAPI Problems サイトで公開しており、更新情報も紹介してあります。MAPI コネクタの機能に関して何か問題が あった場合、まず、このサイトをチェックしてください。


CommuniGate® Pro Guide. Copyright © 1998-2007, Stalker Software, Inc.