CommuniGate Pro
Version 5.1
シグナル
 
 
 
SIP

SIP モジュール

CommuniGate Pro のSIP モジュールは、リアルタイム通信のインフラストラクチャとして機能しま

リアルタイム通信とは、インスタンスメッセージ、音声(IP テレフォニー) / ビデオ通信・会議、 ホワイトボードなどをいいます。SIP モジュールは、SIP インターネットプロトコルとIP ネットワー クを介して動作します。

SIP プロトコルは、そのタイプとしては、データ転送プロトコル( メディア転送プロトコル) ではあ りません。つまり、SIP プロトコルを介して、間接的に参加要素がネットワーク上で相互に検索さ れ、また、参加要素とメディア転送プロトコル(また、そのパラメータ) との間でネゴシエーショ ンが実行されるようになります。さらに、参加要素間でのインタラクティブリアルタイムセッショ ンの確立のほか、参加要素によるセッションの管理(新規の要素の追加、セッションの閉鎖、セッ ションパラメータの更新など) も実装されます。

セッション開始プロトコル(SIP)

CommuniGate Pro のSIP モジュールによって、SIP プロトコル機能が実装されます。つまり、SIP モ ジュールにより、TCP リスナーとUDP リスナーを使ってそれぞれ、TCP ネットワークプロトコルと UDP ネットワークプロトコルを介して、SIP 要求/ 応答パケットが受信されます。同様にTCP ネットワークプロトコルとUDP ネットワークプロトコルを介して、SIP モジュールからSIP 要求/ 応答パケットが送信されます。

SIP モジュールでSIP 要求パケットが受信されると、SIP モジュール上でSIP パケットが解析された後、 SIP モジュールの各サブコンポーネントを介して解析後のパケットが処理されます。その後、要求パ ケットは、SIP Server コンポーネント(サブコンポーネント)、新規のSIP Server トランザクション、 既存のSIP Server トランザクションのいずれかに送られます。
要求がSIP プロトコルのみで処理可能だった場合、またはSIP Server コンポーネントでは処理できな い要求だった場合、SIP Server コンポーネントにより、その時点で処理が行われ、応答が返却されま す。これ以外のときには、SIP Server コンポーネントからSignal モジュールに要求が渡され、Signal モ ジュールで処理されます。その後、Signal モジュールで応答が生成され、その応答がSIP Server トラン ザクションに送られます。最後に、SIP Server モジュールにより、オリジナルのSIP 要求のソースに応 答が返却されます。

要求によっては、シグナルモジュールから別のSIP デバイスやSIP Server にリレーされることもありま す。こういった要求は、SIP Client サブコンポーネントに渡され、そこでSIP Client トランザクション が生成されます。このトランザクションを使って、SIP 要求が所定のインターネットプロトコルを介 して送信され、応答が処理されます。

上記のように、SIP 要求パケットは通常、SIP Server サブコンポーネントに送られます。一方、SIP 応 答パケットは、SIP Client サブコンポーネントに送信されます。ただし、次の2 つの例外があります。

CommuniGate Pro のSIP モジュールでは、UDP 通信とTCP 通信の両方をサポートしています。また、 TCP プロトコル上でのセキュア(TLS) 通信もサポートしています。

The CommuniGate Pro SIP module supports near-end and far-end NAT traversal, enabling SIP communications for both large corporations with many internal LANs, as well as for home users connecting to the Internet via "dumb" NAT devices.

The session initiation schema described above works correctly only if both parties can communicate directly. If there is a firewall or a NAT device between the parties, direct communication is not possible. In this case, the CommuniGate Pro SIP module builds and manages media proxies, relaying not only the SIP protocol requests and responses, but the media data, too.


SIP Server の設定

SIP Server サブコンポーネントの設定を行う場合、Web インターフェイスを開き、[Settings] セク ションの[SIP] ページを表示します。SIP モジュールの設定を行う場合、[Can Modify Settings] アク セス権が必要です。

[Receiving] リンクをクリックします。これで、SIP Server (UAS) の設定ページが開きます。

Transport ( トランスポート)

[Transport] パネルでは、ネットワークレベルのオプション(SIP パケットの受信に関係するオプ ション) の設定が可能です。
トランスポート
ログレベル: UDP リスナー UDP TOSタグ:
エンキュー数: TCP リスナー チャネル:
エンキュー制限: アイドルタイムアウト:
ログレベル
このオプションでは、SIP モジュールによってサーバーログに記録される情報の範囲(ログ レベル) を指定できます。このオプションは通常、[Failure] (回復不可能の障害のみ)、 [Major] (セッション確立レポート)、[Problems] (障害、セッション確立/ 非致命的エラー) のいずれかに設定しておきます。一方、SIP モジュールに問題が発生していると思われると きには、[Low-Level] または[All Info] に設定します。この場合、それぞれ、プロトコルレ ベルの情報またはリンクレベルの情報がシステムログに記録されます。なお、問題が解決す れば、ログレベルを元に戻します。[Low-Level] または[All Info] のままにしておくと、シ ステムログファイルのサイズが急速に大きくなります。
ログされたSIP 情報レコードには、SIP タグが付加されています。
UDP
このオプションでは、UDP トランスポート(要求の最大サイズ、下記) を設定できます。 [UDP listener] リンクをクリックすると[UDP Listener] ページが開きます。デフォルトで は、SIP モジュールのUDP ポートは5060 です。
UDP TOSタグ
Use this setting to specify the TOS tag for all outgoing SIP UDP packets. This tag can be used to set the SIP traffic priority on your LAN.
TCP
このオプションでは、TCP トランスポート(入力チャンネルなど、下記を参照) を設定でき ます。[TCP Listener] リンクをクリックすると[TCP Listener] ページが開きます。この ページでは、クリアテキストTCP ポートとセキュアTCP ポートの設定が可能です。デフォ ルトでは、SIP モジュールのクリアテキストTCP ポートは5060、セキュア(TLS) TCP ポー トは5061 に設定されています。
チャネル
このオプションでは、TCP 通信チャンネルの最大数を指定できます。SIP モジュールでは、 この数までのチャンネルがオープン可能です。オープンしているチャンネルの数が、この設 定に達している場合、新規のTCP 接続は拒否されます。
アイドルタイムアウト
このオプションには、アイドルタイムアウトを指定します。TCP 通信チャンネル上で非アク ティブ状態が続き、その時間が、ここで指定したタイムアウトに達したときには、そのチャ ンネルは閉鎖されます。アイドルタイムアウトを使うことで、とくにシステムが大きい場 合、TCP 通信チャンネルに必要なリソースを節約できます。ただし、このタイムアウトが実 行された場合、SIP クライアントの中には正常に動作しなくなるクライアントもあります。

Transactions (トランザクション)

[Server Transactions] パネルでは、SIP Server (UAS) トランザクションに関する設定が可能です。

サーバートランザクション
ログレベル: 制限: プロセス:
ログレベル
[Log] オプションでは、SIP Server サブコンポーネントによってサーバーログに記録される情報 の範囲( ログレベル) を指定できます。このオプションは通常、[Failure] (回復不可能の障害の み)、[Major] (セッション確立レポート)、[Problems] (障害、セッション確立/ 非致命的エラー) のいずれかに設定しておきます。
SIP Server サブコンポーネントによって記録されたログにはSIPS タグが付加されます。
制限
このオプションでは、SIP モジュールが処理できる同時サーバートランザクション(SIP Server サブコンポーネントによる同時トランザクション) の最大数を指定できます。
プロセス
ここでは、SIP Server トランザクションの処理に使われるスレッドの数を指定できます。

Protocol (プロトコル)

SIP Server サブコンポーネントによってリモートクライアントからの要求の認証が実装されます。リ モートクライアントから要求が送られ、その要求に認証データが格納されていなかったときには、その要求は拒否されます。その場合、SIP モジュールが応答に特殊フィールドを追加し、その応答がリ モートクライアントに送信されます。この応答により、リモートクライアントに対して認証が要求さ れます。

プロトコル
Digest'認証の通知 NTLM'認証の通知
非INVITEに対し'100 Trying'を送信 INVITEに対し、常に'100 Trying'を送信
Digest'認証の通知
このオプションを有効にしておくと、標準DIGEST 認証方式がサポートされていることが SIP クライアントに通知(アドバタイズ) されるようになります。
NTLM'認証の通知
このオプションを有効にしておくと、非標準NTLM 認証方式がサポートされていることが SIP クライアントに通知(アドバタイズ) されるようになります。

認証データに格納されているユーザー名は、ルータコンポーネントによって処理されます。したがっ て、認証データの名前としては、アカウントのエイリアス、フォワーダ、ドメインのエイリアスのい ずれでも使用できます。
認証データのアカウントドメインはどちらも、そのアカウント、ドメインについてSIP サービスが有 効になっていなければなりません。有効になっていない場合、認証は失敗します。

CommuniGate Pro のアカウントのパスワードはすべて、SIP 認証で使用できます。


SIP Client の設定

SIP Client (UAC) サブコンポーネントの設定を行う場合、Web インターフェイスを開き、[Settings] セクションの[SIP] ページを表示します。その後、[Sending] リンクをクリックします。

Click the Sending link to open the SIP Client (UAC) Settings.

Transport (トランスポート)

[Transport] パネルでは、ネットワークレベルのオプション(SIP パケットの送信に関係するオプ ション) の設定が可能です。
トランスポート
ログレベル: UDP要求サイズ制限: LAN:
WAN:
ログレベル
このオプションでは、サーバーログに記録される情報( このSIP パケットとSIP トランス ポートに関する情報) のログレベルを指定できます。
設定は、SIP Server サブコンポーネントの[Transport] パネルの場合と同じです。
UDP要求サイズ制限
このオプションでは、最大のUDP パケットのサイズを指定します。このサイズまでのUDP パケットが内部LAN と外部ネットワークで送信可能です。パケットの送信の際、プロトコ ルが明示的に指定されていなかったときには、SIP モジュールによりUDP プロトコルが使用 されます。ただし、ここで指定したサイズを超えるUDP パケットは送信されません。代わ りにTCP プロトコルが使用されます。

Transactions (トランザクション)

[Client Transactions] パネルでは、SIP Client (UAC) トランザクションに関する設定が可能です。
クライアントトランザクション
ログレベル: 上限: プロセス:
ログレベル
[Log] オプションでは、SIP Client サブコンポーネントによってサーバーログに記録される情報 の範囲( ログレベル) を指定できます。このオプションは通常、[Failure] (回復不可能の障害の み)、[Major] (セッション確立レポート)、[Problems] (障害、セッション確立/ 非致命的エラー) のいずれかに設定しておきます。SIP Client サブコンポーネントによって記録されたログには SIPC タグが付加されます。
上限
このオプションでは、SIP モジュールが処理できる同時クライアントトランザクション(SIP Client サブコンポーネントによる同時トランザクション) の最大数を指定できます。
プロセス
ここでは、SIP Client トランザクションの処理に使われるスレッドの数を指定できます。

Protocol (プロトコル)

プロトコル
リレーダイアログの強制 右記のアドレスから如何なるIPアドレスへもリレー可:
リレー先: タイマーB:
リレーダイアログの強制
このオプションを無効にしておくと、SIP ダイアログのうち、SIP モジュールの「参加」 (NAT/ ファイアウォールの横断) が必要なSIP ダイアログに限って処理されるようになりま す。有効にしておいた場合、オープンされたSIP ダイアログ全部について処理(強制リレー) が行われます。このオプションでは、ダイアログのトランザクションに関する詳細なデータ がサーバーログに記録されるため、トラブルシューティングに有効です。
右記のアドレスから如何なるIPアドレスへもリレー可
このオプションを[anybody] に設定しておくと、SIP モジュールはオープンリレーとして 機能します。つまり、SIP 要求はすべて任意のデスティネーションにリレーされます。
ただし、サーバーの濫用を防ぐため、このオプションは通常、[clients]または [nobody]に設定しておきます。
要求は、以下のいずれかの条件が満足されたときにSIP モジュールによって送信されます。
  • デスティネーションアドレスがクライアントIPアドレスとして登録されている。
  • 要求のリレー先がデバイスで、そのデバイスがCommuniGate Pro サーバーのいずれかのアカウントに登録されている。
  • 要求がローカルノード(PBX タスクなど) によって生成された要求である。
  • 要求の送信者がCommuniGate Pro サーバーで認証済みである。
  • 要求の送信元のネットワークアドレスがクライアントIPアドレスとして登録されているネットワークアドレスである(このオプションを[clients]に設定している場合)

以上のどの条件にも該当しない場合、要求は401 エラーコード(認証が必要) で拒否されます。

リレー先
送信パケットをすべて外部SIP サーバーを介して送信( リレー) したい場合、このオプショ ンを有効にします。なお、この設定は、接尾辞.viaなどのルーティング方法を使って明示的 に外部ホストにルートされるアドレスには使用されません。
タイマーB
This option controls the value of the "Timer B" (specified in RFC3261). It controls the maximum time the INVITE-type transaction will wait for any first response from the called party.
While the standard specifies the 32 seconds value, we strongly recommend to lower this value to 5-10 seconds: if the remote party does not provide any answer within that time (not even the 100-Trying response), most likely it is down and there is no need to wait for 32 seconds before reporting this to the call originator.
Lowering this time allows the SIP Client transaction to try other SRV records (if any exists): if this timer is set to 32 seconds, the calling user is likely to give up before the next SRV record is tried.

外部ゲートウエイ

CommuniGate Pro サーバーは外部SIP ゲートウエイに対応しています。外部ゲートウエイは、 CommuniGate Pro サーバーからのコールをPSTN (公衆交換電話網) リレーし、PSTN コールを CommuniGate Pro サーバーにリレーするという処理を行います。この処理は通常、料金がかかり、ま たCommuniGate Pro サーバーと外部ゲートウエイの間の通信には認証が必要です。
また、必要であれば、外部ゲートウエイを介してリモートSIP ネットワークと通信することもできま す(通常、認証が必要です)。

注意: インハウスのPSTN ゲートウエイを使用する場合、内部LAN からのコールを受け付けるよう に、そのPSTN ゲートウエイを設定する必要があります( この設定により、CommuniGate Pro サー バーで認証を行ってコールシグナルをPSTN ゲートウエイにリレーするという処理が不要になりま す)。また、PSTN ゲートウエイを設定し、受信接続をCommuniGate Pro サーバーのアカウントに送 信するという操作も可能です( この場合、サーバーをPSTN ゲートウエイに登録する必要はありませ ん)。このようにしてPSTN ゲートウエイを使用する場合、外部ゲートウエイは不要です。

外部ゲートウエイの設定は、[External Gateway] パネルを使って行います。
ゲートウェイ名: コール: 認証:
ドメイン: リレー先: プロキシー:
ユーザー名: アドレス変換: From To
認証名: Contactアドレス:
パスワード: 右記時間毎にREGISTER:
ゲートウェイ名
このフィールドには、使用する外部ゲートウエイの内部名(外部ゲートウエイを示す任意の 名前) を指定します。この名前は、ルータレコードで使用でき、したがって特定のコールを 外部ゲートウエイに向けることもできます。名前は英数字で指定し、同じ外部ゲートウエイ に設定できる名前は一つに限られます。
ドメイン
このフィールドには、外部ゲートウエイのドメイン名を指定します。
リレー先
ゲートウエイのドメイン名に対応するネットワークアドレスに要求を直接送信したくない場 合、このオプションを使用します(例えば、プロキシを介して要求をゲートウエイに送信す るときに使用します)。
値としては、代替ドメイン(DNS) 名、IP アドレス、正規のSIP URI を指定できます。
ユーザー名
外部ゲートウエイへの登録に使用されるユーザー名を指定します。この名前は、外部ゲート ウエイを介してコールがリレーされるときにも使用されます。
名前には@ を付加する必要はありません。@ がない場合、自動的にドメイン名が付加され正 規のユーザー名が作成されます。
パスワード
パスワードを指定します。このパスワードが外部ゲートウエイで使用されます。
認証名
認証名を指定します(オプション)。ユーザー名とは別に認証名も使用するときに限って指 定します。ユーザー名と認証名を同じにするときには不要です。
右記時間毎にREGISTER
REGISTER 要求をどの程度の頻度で外部ゲートウエイに送るかを指定します。
Contactアドレス
コンタクトアドレスを指定します。このアドレスが外部ゲートウエイに登録されます。ゲー トウエイで受信コールが受信された場合、このアドレスにコールシグナル要求が送信されま す。
このコンタクトアドレスとしては通常、CommuniGate Pro サーバーのアカウントのうち、「自 動転送」リアルタイムアプリケーションの起動元のアカウントの名前を指定します。このよ うにすることで、そのアカウントでコールが受信されると、コールを別のアカウントに転送 するという処理が可能です。
コール: 認証
このオプションを[Auth] または[Proxy-Auth] に設定しておいた場合、それぞれ認証 ヘッダフィールドとしてAuthorization フィールドまたはProxy-Authorization フィールドがコール(INVITE)要求に追加され、要求が外部ゲートウエイに送信されます。 なお、ゲートウエイにREGISTER 要求が送信される場合、認証トークンとしてはNONCE が 使用されます。したがって、[Register every ] オプションの値(時間間隔) は、 NONCE の「寿命」より短くしておかなければなりません。
コール: アドレス変換 From
このオプションを選択しておいた場合、コールシグナル(INVITE)要求のFrom アドレス (発信側の名前とアドレス)が[Username]フィールドに指定されている値に置き換えられ ます(発信側仮装)
コール: アドレス変換 To
このオプションを選択しておいた場合、コールシグナル(INVITE)要求のTo アドレスがシ グナル要求URI に置き換えられます(URI ポート番号とURI パラメータが削除された後の URI が使用されます)。

新規の外部ゲートウエイを作成(定義) する場合、表の最後の[Gateway Name] フィールド(空白) にゲートウエイの名前を入力します。その後、[Update] ボタンをクリックします。

既存の外部ゲートウエイを削除する場合、[Gateway Name] フィールドの文字列を削除し、[Update] ボタンをクリックします。

外部ゲートウエイを使用するときには、上記の設定のほかルータレコードを定義しなければなりませ ん。下はルータレコードの例です。

例 1.
1number@main_domain 宛てのコールをすべて、コールnumber への要求としてゲートウエイProvider1 にルートします。
+1number@main_domain 宛てのコールをすべて、コールnumber への要求としてゲートウエイProvider1 にルートします。
+number@main_domain(number の先頭は1 以外)宛てのコールをすべて、コール011number への要求としてゲートウエイIntlProvider にルートします。
011number@main_domain 宛てのコールをすべて、コール011number への要求としてゲートウエイIntlProvider にルートします。
9number@main_domain 宛てのコールをすべて、コール415number への要求としてゲートウエイLocProvider にルートします。

上記の処理を行う場合、ルータレコードは次のようになります。

NoRelay:Signal:<1*>   = *@Provider1.sipgw
NoRelay:Signal:<+1*>  = *@Provider1.sipgw
NoRelay:Signal:<+*>   = 011*@IntlProvider.sipgw
NoRelay:Signal:<011*> = 011*@IntlProvider.sipgw
NoRelay:Signal:<9*>   = 415*@LocProvider.sipgw

注意: 上記のように、接頭辞NoRelay: を付加しておくことで、CommuniGate Pro サーバーがオー プンサーバーになるのを防ぐことができます。付加しなかった場合、外部のユーザーが CommuniGate Pro サーバーの認証情報を入手し、その認証情報を使ってコールを外部サーバーにリ レーできるようになる(オープンサーバーになる) リスクがあります。


Microsoft® Windows 製品のサポート

Microsoft の"RTC" クライアント(Windows メッセンジャーなど) では、音声/ ビデオセッションに は標準のSIP プロトコルが使われます。
一方、"RTC" クライアントの場合、インスタントメッセージングやプレゼンス、ホワイトボード、 リモートアシスタンスなどのサービスにはMicrosoft 独自のSIP プロトコル拡張が使われます。 CommuniGate Pro では、こうしたMicrosoft 独自の拡張もサポートしており、したがって CommuniGate Pro はMicrosoft の"RTC" クライアントにも対応しています。

CommuniGate Pro では、バージョン5.0 以降のWindows Messenger をサポートしています。

Windows Messenger を使用する場合、SIP モジュールの[Advertise NTLM] オプションを有効にしてお かなければなりません。

Windows Messenger の音声/ ビデオセッションは、標準RTP メディアプロトコルを使って実行され、 各セッションはNAT/ ファイアウォールを超えて実行が可能です。
Windows Messenger のインスタントメッセージング( メディア転送/ インスタントメッセージングセッ ション) は、SIP プロトコルを使って実行され、各セッションはNAT/ ファイアウォールを超えて実 行が可能です。
Windows Messenger のホワイトボード、アプリケーション共有、リモートアシスタンスの各セッショ ンは、非標準プロトコルを使って実行され、各セッションはNAT/ ファイアウォールを超えて実行が 可能です。
Windows Messenger のファイル転送セッションは、非標準プロトコルを使って実行され、現在のとこ ろ、このセッションはNAT/ ファイアウォールを超えて実行することはできません。


SIP デバイスのサポートと回避策

現在、多数のSIP デバイスが市場に出回っていますが、SIP プロトコルに関する機能が誤って実装さ れているものも少なくありません。
そのため、 CommuniGate Pro のSIP モジュールは、こうしたSIP デバイス、またSIP デバイスが原因 で発生するクライアントの問題やバグに対応できるように設計されており、回避策に関する設定も可 能です。

回避策の設定を行う場合、SIP モジュールの設定ページを開き、[Workarounds] リンクをクリックし ます。下のようなパネルが表示されます。

問題/バグ
エージェント名 MicrosoftSubPresenceFixContactsNoTCPNoMaddrNoPathBadByeAuthNeedsEpidNoSubMWI

パネルの一番下に空白のフィールドがありますので、ここに回避策を設定したいクライアントの名前 を入力します。続いて、必要に応じて右側のチェックボックスを選択し、[Update] ボタンをクリッ クします。

既存のクライアントを削除したい場合、左側のフィールドに入力されている名前を削除し、[Update] ボタンをクリックします。

下記はリモートサイト用のパネルで、左側のフィールドにはリモートデスティネーションのドメイン 名を入力します。
問題/バグ
エージェント名 MicrosoftSubPresenceFixContactsNoTCPNoMaddrNoPathBadByeAuthNeedsEpidNoSubMWI

ここで指定したリモートデスティネーション(要求URI ドメイン) にシグナル要求が送信される際、 チェックボックスで指定した回避策が使用されます。また、そのドメインに指定されている通常の回 避策も使用されます。

現在、実装されている回避策(チェックボックス) は次の通りです。
Microsoft
Microsoft クライアントの場合、このチェックボックスを選択しておきます。選択しておく と、プロトコルメッセージに署名が付加され、Microsoft 独自のSIP プロトコル拡張がサポー トされるようになります。
SubPresence
クライアントでプレゼンスがサポートされているが、プッシュタイプのプレゼンスエージェ ント(Publish) ではない場合、このチェックボックスを選択します。CommuniGate Pro サーバーからSUBSCRIBE 要求が送信され、クライアントのプレゼンスの状態が監視されま す。
noTCP, noMaddr
クライアントで、コンタクトパラメータとしてtransport またはmaddr、もしくは両方が サポートされていないときに、このチェックボックスを選択しておきます。これで、コンタ クトデータが必要に応じて変更された後、クライアントに送信されます。
noPath
クライアントでRFC3327 (Path フィールド) がサポートされていない場合、このチェック ボックスを選択しておきます。コンタクトデータが必要に応じて変更された後、クライアン トに送信されます。
badByeAuth
クライアントによっては、非INVITE 要求(BYE、NOTIFY、REFER) で使用される認証ダイ ジェストが誤って計算されるものがありますが、その場合に選択しておきます。
needsEpid
クライアントのFrom/To のURI で非標準のepid= パラメータが使用されており、相手側で epid= パラメータがサポートされていないと処理が失敗します。そのようなクライアントの 場合、このチェックボックスを選択しておきます。
NoSubMWI
クライアントでメッセージサマリイベントパッケージ(MWI =メッセージ待機インディケー タ実装用のパッケージ) がサポートされているが、SUBSCRIBE 要求の送信後もメッセージサ マリイベントパッケージが動作しない場合、このチェックボックスを選択しておきます。
選択しておいた場合、登録時にクライアントがサブスクライブされるようになります (SUBSCRIBE 要求の回避策)。

Web サイト( http://www.communigate.com/SIP/HCL.html) にテスト済みのSIP クライアント、問題、現在の回避策の一覧があります。一覧は定期的に更新されます。


ルーティング

シグナルのアドレスのドメイン名がIP アドレスだった場合(つまり[xx.yy.zz.tt] の形式だった 場合)、SIP モジュールは直ちに(ルータに対する最初の呼び出しで)、そのアドレスを受け入れま す。この場合、IP アドレスが括弧で囲まれていなかったときには、ルータによって前後に括弧が追 加されます。また、ドメイン名がローカルドメインの名前だったときには、そのドメインの名前に変 換されます。このルータによる処理はいずれも、各モジュールに対する呼び出しの前に実行されま す。

また、シグナルのアドレスのドメイン名に接尾辞.sipgw が付加されていた場合も、そのアドレス はSIP モジュールによって直ちに受け入れられます。この場合、接尾辞.sipgw を除いたドメイン名 は外部ゲートウエイの名前でなければならず、したがって、その外部ゲートウエイにシグナルがルー トされます。

ルータに対する最後のコールで、シグナルのアドレスのドメイン名に少なくてもドット(.) が一つ 存在する場合、そのアドレス(シグナル) はすべてSIP モジュールにより受け付けられ、処理されま す。SIP モジュールの[Relay via] オプションが有効になっており(外部SIP サーバーが指定されて おり)、その外部SIP サーバーとシグナルのアドレスが一致する場合、その外部SIP サーバーにシグナルがリルートされます。

なお、アドレスの受け付けと処理に先立ち、SIP モジュールはアドレスに@ 記号ではなく記号%(単 一もしくは複数)があるかどうかをチェックします。存在した場合、右端の% 記号が@ 記号に置き 換えられます。

ターゲットのドメイン名に.udp、.tcp、.tls のいずれかの接尾辞が付加されているときには、そ の接尾辞に対応する転送プロトコルが使用されます。接頭辞は、転送の際に自動的に削除されます。


SIP アクティビティのモニタリング

サーバー管理者はWebAdmin インターフェイスの[Monitors] セクションでSIP モジュールのアク ティビティをチェックできます。SIP アクティビティのモニタリング用のページは、受信(サー バー) フレームと送信( クライアント) フレームの2 つのフレームで構成されています。

下記はサーバー(SIPS)フレームです。ここにはSIP Server トランザクションの内容が表示されま す。

2 件中 2 件が選択されました
ID 状態 Msg フェーズ ソース ターゲット  
38984waiting (15s)0completedudp[10.10.0.226:59645]SIGNAL-40726OPTIONS sip:ns.communigate.com
38994waiting (7s) 0completedtcp[10.0.14.193:24777]SIGNAL-40734MESSAGE sips:user@communigate.com

下記はクライアント(SIPC)フレームです。ここにはSIP Client トランザクションの内容が表示されます。

2 件中 2 件が選択されました
ID 状態 Msg フェーズ ソース ターゲット  
35184waiting (2m)0provisionedSIGNAL-40726udp[10.0.1.34:5060]INVITE sip:user@10.0.1.34:5060
35188waiting (7s)0request sentSIGNAL-40732udp[10.0.1.34:5060]MESSAGE sips:user@communigate.com

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